ブラックフライデーでドラム音源を補強しようかなと思っていたんですが、たまたまドラム音源のボタンをポチッと押しそうになったときに目についたのがFabfilterの「Pro Q3」でした。
EQのプラグインだけで2万円くらいするというコスパの悪さがあり導入してなかったんですが、ちょっとボーカルミックスなどもはじめて使いやすいEQがほしいなと思っていたので、買ってみました。
プロアマ問わず大人気のプラグインだけあってかなり良かったのでご紹介したいと思います。
目次
FabFilterとは
グラフィカルで使いやすく、音質もいいプラグインを作るメーカーです。ここ数年ですごく名前を聞くようになり、使う人も増えてきた印象です。みんなからすごくいいよ!と言われていたんですが、今まで使わなかった理由が2つあります。
ひとつは値段が高い!っていうことですね。EQだけで2万円。Wavesならそこそこいいバンドルを買えてしまうからです。
もうひとつは他のものでも代用できるということですね。特に僕はOzone5から使い続けているiZotope派なんですが、Neutronでも同じことができるからですね。Neutronの方がコンプやその他エフェクトも同時にかけられてミックスしやすいという特徴もあります。
Pro-Q3はかなりいい!
それで使ってみたんですが、間違いなくいいプラグインでした。
Neutronでも同じことができるものも多いんですが、圧倒的にこっちの方が使いやすかったです。使用用途が限定的であったり、トラック数が少ない音源にはどんどん使っていこうかなと思っています。
他の記事でもいろんな説明をしている人がいますので、僕は自分自身が使って、これはよかった!というポイントをまとめていきます。
見やすい!使いやすい!
他のプラグインに比べてパラメータがすごく見やすいです。
従来のものに慣れてる方は逆に使いづらいかもしれませんが、上の写真のようにQポイントをクリックで作ると、その部分の調整がポップアップする仕様なので、必要な時に必要なパラメーターをサクッと動かすかことができます。
僕の場合、他のEQだと間違って違うところを動かしてしまうことがあるんですが、このEQに関してはそれがないですね。
狙うべきポイントが分かりやすい!
このEQはピークになっているところと周波数帯を表示してくれます。波形だけでは分かりにくポイントがすごく見やすく、処理の方向性も分かるようになるのは良かったです。また視認性が抜群にいいです。デザインとはこうあるべきだなと思いました。
マスキングがしやすい!
他の楽器とかぶっているところは、どちらかを下げて棲み分けをする(マスキング)を行うのですが、これがかなりやりやすかったです。
上の写真のように2つの楽器の波形が出るのはもちろん、重なりが特に多い部分には赤い帯で表示されます。最近、他のEQでも同じように表示されますが、画面が大きいので圧倒的に操作しやすかったです。
ウインドウのサイズを大きくできる!
DTM用のプラグインってウインドウのサイズが固定なものが多いんですが、Pro-Q3は大きさが変えられます。これが地味に使いやすさのポイントになっていますね。特に微調整するときに効果を発揮する機能でした。
調整を追い込める
普通のEQとして使う分には簡単で使いやすいんですが、それ以上にすごいなと思ったのは、とことん追い込める機能がたくさんあることです。
上の写真はローカットなんですが、カーブを96dB/octまで選べます。ほぼ垂直みたいなカーブで、ここまでいくものを使うのか?というところまで追い込めるようになっています。
選べる3つのモード
EQのモードとしては、下記の3つがあります。
①Zero Latency・・・レイテンシーを抑えたモード
②Natural Phase・・・位相のズレを自然に処理する(ちょぅとアナログサウンドっぽい)
③Linear Phase・・・位相のズレがほとんどないモード(ただ重い)
基本は①か②を使っておけば大丈夫です。③は重くなったりレイテンシーが発生しやすくなるので、マスタリングなど、「ここぞ!」ってときに使うそうですが、個人的には使わないモードですね。
ただPro-Q3では処理の解像度をPCの処理能力に合わせるので、他社のリニアフェーズEQと比べると使いやすくなっています。
ダイナミックEQなど多彩な処理ができる
Pro-Q3といえば、サイドチェイン入力のあったときや、音が大きいときだけEQがかかるように設定できる「ダイナミックEQ」が有名なので使ってみました。
確かに使いやすいです。ただ最近、他のEQでもあるのでさほど珍しい機能でなくなってきたなという印象です。
他にも、MSで処理できたり、左右で処理できたりと、ひとつのプラグインであらゆるEQ処理ができてしまいます。かなり多機能だなと思いました。
EQ matchは、使わないかもです
リファレンスの音を分析して同じような音質にEQ処理できると言われている「EQ Match」という分析機能があります。ちょっとやってみましたけど、そこまでうまくいくものでもないかなと思いました。お試しで使ってみて、勉強用にはいいなとは思いましたが、多用するよりは自分でやった方が速いなと思いました。
初心者に向いているか?
簡単に使えるので初心者にもおすすめできると僕も思います。ただEQだけで2万円くらいするのでちょっと値段が高すぎるかなと。このお金でiZotopeやWavesを買った方がミックスの幅が広がると思います。お金に余裕のある人は買ってもいいと思います。
あと初心者がよく使うであろうプリセットが少ないです。ある程度プリセットで設定してそこから調整していくということが難しいので、知識がない人ほどちょっと使いづらさを感じると思います。
Neutronと比較すると?
EQ単体で見たら、使いやすさは圧倒的にPro-Q3です。ただNeutronはプリセットも大量にあるし、AI自動ミックス機能もあるし、あらゆるミックス処理をひとつのプラグインでできてしまう良さがあります。初心者の人にどちらをすすめるか?と聞かれればNeutronをおすすめします。
EQとしては最上級!
これで価格が安ければ初心者の人にもおすすめですとか書けるんですが、EQひとつに2万円はくらいするので、別のプラグインバンドルを買ってEQの基本を学んでから買い換えるというのでもいい気がします。
中上級者の人は、コンプなどそれぞれ使うものが決まっているなら、EQだけこれを買って使ってみるというのでもいいでしょう。
個人的には、現状、Neutronをマスキングにしか使っていないので、このEQと差し替えて使っていきたいと思います。
下記がセールのときに一番安いサイトでした。