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音質アップしたい歌い手さんにオススメのマイク&機材!予算別に紹介!

先日、昔にお手伝いしたことがある歌い手さんからミックス依頼の連絡がありました。最近ミックスだけで音が大きく変わる動画を作る人たちがいるらしく、その影響で自分の歌ってみた音源もミックスでよくなるのでは?と思ったらしいです。とりあえず音源を聴いてみると、歌が上手い子だったので普通に聴けるのですが、音質が確かに悪いんですよね。
その子の気に入らないところを聞くと、ボーカルの音質が悪い、自分の声をもっと太くしたいとのことでした。
それ、ミックスの問題ではなく録音している機材が悪いんじゃないかなと思ったので、どんな風に録音しているのか聴いてみると、やはり原因はそこにありました。

(2024年2月追記。少しプロの人やフォロワーさんに聞いて、新しい機材や文章を追加しました。)

目次

彼女が使っていた機材は

まずマイクは激安のカラオケマイク。それをノートPCのマイク端子にさして録音してました。さらにミックスをしているソフトが数世代前のフリーソフト。
明らかに録音機材が悪いので、マイクやオーディオインターフェイスの購入を提案して、実際その通りに買ってもらいました。使用してもらってかなり満足いってるようなので、今回は彼女とともに選んだ歌い手にオススメの機材をご紹介したいと思います。

歌の録音には、どんな録音機材がいる?

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この写真に写ってる道具があるとかなりいいと思います。(PCやMacは必須機材ですが、ここでは入れません。)

①マイク

ボーカルの音を電気信号に変える機材、これがないと録音はできません。大きく分けるとダイナミックマイクとコンデンサーマイクの2種類があり、歌を録音するならコンデンサーマイクがオススメです。後ほど詳しく解説します。

②ショックマウント

録音に影響を与える振動を抑え、コンデンサーマイクをマイクスタンドに固定する道具です。コンデンサーマイクを使うなら手に入れておきたい機材です。

③ポップガード

人間の口から出る風によるノイズを減らし、湿気からマイクを守る機材です。コンデンサマイクを使うなら必須です。

④マイクスタンド

マイクを支えるスタンドです。様々なタイプがありますので、お好みで。できればしっかり固定できたり、マイクがぐらぐらしないタイプがいいです。

⑤オーディオインターフェイス

マイクで録った音声信号をデジタルデータに変換してPCやMacに送る機材です。マイクの次に重要です。

⑥マイクケーブル

マイクとオーディオインターフェイスをつなぐケーブルです。
マイクに付属のものでがあれば、それでも大丈夫です。

⑦DAW

作曲録音ソフト。CubaseやStudio one、Logicなどが有名です。オーディオインターフェイスに簡易版のDAWがついてくるので、ボーカルとカラオケ音源のミックスくらいなら、これで十分対応できます。

またMacの場合はGragebandというソフトが無料でついてますので、最初はそれを使うのもひとつです。またWindowsPCの場合は無料のDAWがあります。おすすめとしてはcakewalkというソフトです。元々ローランドが開発していたDAWなんですが、現在は無料DAWとして存続していて定期定期にアップデートもされています。下記にサイトへのリンクを置いておきます。

⑧ヘッドホン、あればスピーカー

自分の音を確認する機材。かなり重要ですが、とりあえずは家にあるものを使いましょう。
録音がうまくなって、音へのこだわりが出てきたら買い換えてください。

“参考記事”
“モニターヘッドホンのおすすめ”

これだけあれば録音環境として必要十分ですが、ここまで揃えるのは難しいですよね。

最初に予算をかける2つの機材!

特に予算をかけて欲しいのが、①マイクと②オーディオインターフェイスです。ここをを買い換えるとかなりレベルアップしますので、最初の機材はこの二つに絞っていいと思います。

歌い手には、どんなマイクがいい?

マイクは大きく分けて、2種類あります。
①ダイナミックマイクと②コンデンサーマイクです。

①ダイナミックマイクの特徴

録音できる音はそこそこなのですが、衝撃や湿気などに強くて使いやすいのが特徴です。少々雑に扱っても問題なく使用できるため、カラオケボックスやライブハウス、スタジオなどでよく使われています。

②コンデンサーマイクの特徴

高音質で録音できるのですが、非常にデリケート。わずかな振動も拾ってしまったり、湿気で壊れたりします。またマイク自体に48Vのファンタム電源を供給しないといけないので、必ずオーディオインターフェイスが必要になります。


歌い手の方が自分の音質を上げたいと思ったら、迷わずコンデンサーマイクを選んでください。

コンデンサーマイクを選ぶ注意点!

□指向性(どの方向の音を録れるか)を確認する

まずコンデンサーマイクには、どの方向からきた音を録音できるのかという性能「指向性」というものがあります。
①単一指向・・・マイクの正面からきた音だけを録音できる 
②双指向・・・マイクの正面からと裏からきた音を録音できる 
③全指向(無指向)・・・マイクを中心にしてどの方角からきた音でも録音できる 
という3つがあるのですが、歌い手の人は迷わず単一指向を選んでください。自分の歌声だけしっかり録音できるし、自宅で録音する際に、余計なノイズや反響音を拾いにくいからです。

□できればショックマウントをつける

またコンデンサーマイクは高音質なのですが、衝撃に弱いという欠点がありますので、「ショックマウント」という衝撃を吸収するマイクホルダーを使用します。マイクとセットで売っているものがあるので、それを購入することをオススメします。

□ポップガードはつける

次にコンデンサーマイクに必要なのが「ポップガード」で、役割は大きく分けて二つあります。
ひとつは人間が歌を歌うとき、すごい勢いで風が発生します。コンデンサーマイクは非常に高性能なのでその風の音もノイズとして録音できてしまうんです。ポップノイズというのですが、これを軽減するという役割があります。
もうひとつは、歌うときに湿気や水分を口から飛ばしちゃうことも多いと思います。コンデンサーマイクは湿気に弱いので、そういった湿気からマイクを守ることもできます。安くてもいいので必ず購入してください。
布製と金属製があるのですが、布製でいいです。サウンドハウスのオリジナルブランドClassic Proなら2000円以下で買えるものもありますので、下記からチェックしてみてください。

マイクスタンドは安くてもいい

「マイクスタンド」は、ちゃんとしたものを使った方がいいという意見もあると思いますが、最初はなんでもいいと思います。卓上タイプのものを使ってもいいですが、倒れたり、マイクを落としたりしないように注意してください。
ハードオフとか楽器屋さん、貸スタジオなんかで、激安価格で売ってるものでもしっかりしていれば大丈夫ですが、先端部分にマイクやショックマウントをつけるネジ部品がちゃんと付いているか確認してから買ってください。

マイクケーブルについての注意点!

マイクケーブルは少し注意点があります。楽器屋さんや中古屋さんで激安価格のケーブルがあるんですが、ノイズがのるなどのトラブルが多いです。
安いケーブルならサウンドハウスのオリジナルブランド・Classic Proのケーブルがいいと思います。何本か持ってますが、安くてトラブルが少ないし、ケーブルの色も選べます。

使い終わったら片付ける!

※コンデンサーマイクは本当にデリケートなので、使い終わったら、ちゃんと片付けること、特に湿気からは遠ざけるようにすることが非常に重要です。お気をつけください。

オーディオインターフェイスを選ぶ注意点!

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単純に録音するだけの機材なら安くてもいいかなと思いがちですが、PCとの相性や不具合が少ないものの方がストレスが減ります。またコンデンサーマイクを使うのに必要な機能や、付属ソフトなども考えて選ぶことが大切です。

□48Vファンタム電源を搭載

コンデンサーマイクを使うので、「48Vファンタム電源」供給ができるものを選んでください。最近はファンタム電源供給ができないものの方が少ないですが要チェックです。

□録音ソフトDAWが付属

次にDAW(作曲録音ソフト)がついているものを選ぶということです。
オーディオインターフェイスには作曲録音ソフト「DAW」の簡易バージョンがついているものがあります。正規バージョンと比べると制限があるのですが、メインボーカルとコーラスを数トラック歌ってカラオケ音源とミックスするには必要十分ですし、すぐに使えるプリセットがついたエフェクトもついてますので、最初のグレードアップにはオススメです。僕も作曲初心者の時は、こういう簡易DAWを使ってました。
今回選んでいるオーディオインターフェイスでは、番外編のもの以外はCubase系の簡易DAWがついています。録音の音質がいいのはもちろんですが、Cubase系は簡易バージョンでもサードパーティ製のプラグインエフェクトが使えるので、フリーのものやWavesというメーカーのプロ仕様エフェクトも後々追加して使うことができるからです。
【追記】StudioOneというDAWもオーディオインターフェイスにつくミドルクラスのものが、サードパーティ製のプラグインに対応して使いやすくなりました。おすすめオーディオインターフェイスに追記しています。

□生放送をしたい人はループバック機能に注目

歌ってみた放送なんかをしたい!と思っている人は「ループバック」という機能がついているものにしてください。この機能は、PCで鳴らしたカラオケ音源を録音した歌とともにPCに戻すという機能です。この機能がオーディオインターフェイスについているだけで、かなり放送が楽になります。

今回セレクトした機材は・・・

色々と必要なものを書きましたが、特にクオリティに差がつくのがマイクオーディオインターフェイスだと思います。この二つに関してオススメを書いていきたいと思います。
とはいえ、マイクとオーディオインターフェイス合わせて、2万から〜6万くらい。
高校生のバイトやお年玉でなんとか買えるくらいの金額で機材をセレクトしました。
ちょっと特定メーカーが多くなりますが、信頼性や安定性を考えるとこうなりましたのでご了承ください。あと参考になる動画もセレクトしました。

極力、人気のある機材を選んでいます。その理由は、ステップアップするときに機材を売りやすいからです。マイナー系の機材は売れなかったりするので、注意が必要です。(箱は必ず残しておきましょう。売るときに箱有りだと高値で売れます。)

初心者セットおすすめ

マイク、オーディオインターフェイス、DAW、ヘッドホンを集めた初心者セットってよくあるんですが、何かひとつの機材が良くてあとはダメっていうのが多いので、今までおすすめしてきませんでした。今回、取材した中でひとつおすすめしてもいいかなというものがありましたので、ご紹介します。

Presonus AudioBox USB 96 Studio 25th Anniversary

Presonusの大人気DAW「Studio One」のミドルクラスとオーディオインターフェイス、マイク、ヘッドホンがセットになった25周年アニバーサリーセットです。今回選んだ理由ですが価格が3万5000円ほどで必要十分な機材が揃うことと、マイクのM7を実際に使っていておすすめしてくれた人がいたからです。海外では安い価格帯マイクとして選ばれているらしく、そこそこちゃんと使えるらしいです。
欠点としては、、マイクやヘッドホンが日本で人気のある機種ではないので、買い替え時に機材が売れない可能性があります。
個人的には、こういうセットではなく、欲しいものを少しずつ買った方がいいと思います。


マイクのオススメ 1万円台

まずは入門用と言われている1万円台のマイクから、いくつかセレクトしました。

低価格でそこそこ高音質「Audio Technica AT2020」

低価格でちゃんと録音できて、ということを考えると最安コンデンサーマイクはこのAudio TechnicaのAT2020になるかと思います。
エントリーモデルでありならAudio technicaらしい素直な音を録音できるマイクです。ショックマウントではなく普通のマイクホルダーしかついていないので、どこかのタイミングで買う必要があると思いますが、できるだけ安くでマイクが欲しいというのであればコレかなと思います。
ただ、これを買うなら、もう少しお金を出して、次にご紹介するマイクをオススメします。


ショックマウントがついて低価格「Audio Technica AT2035」

上で紹介したマイクと同じシリーズですが、5,000円ほど高いです。
AT2020との違いは、ミックス時にカットしがちな低い音を、マイク側でカットするスイッチがついていることと、ショックマウントも付属していいること。ショックマウントを別途購入する手間が省けます。録音できる音はAT2020と同じくAudio Technicaらしい素直な音です。1万円代だと、これか、次でご紹介するMXL-V67Gがおすすめです。


価格以上の録音品質「MXL MXL-V67G」

僕は使ったことなかったのでおすすめしてこなかったですが、取材をしたらプロの方が数人おすすめに上げてくれたマイクです。最近はYoutubeなどでも話題になっているようです。
MXLというアメリカのメーカーが開発したボーカル用にチューニングされたマイク。宣伝文ではメロウでオールドスクールと書かれていましたが、ざっくり言うと温かみのある音質ですね。高級マイクのノイマンと方向性が似ているらしく、かなり評価が高いです。
デザインでビンテージな高級感を出しているのもポイント高いです。(見た目も大切!)
買うなら、ショックマウント付きのセットがおすすめです。


昔は激安コンデンサーだったけど・・・「RODE NT1A」


RODEは、オーストラリアの音響メーカです。昔は中国で生産していて激安マイクの代名詞でしたが、現在はオーストラリアでの生産になり価格が上昇。その代わり、品質がかなり上がったそうです。この商品の魅力はポップガードやショックマウントがセットになっているところですね。
youtuberがかなりオススメしていますが、高域がイマイチなので僕はオススメしません。
ボカロPで上位機種の「NT2-A」(4万円代)を使っている人がいて聞いてみましたが、こちらはセッティング次第でノイマンに近い音質を出せるとのことでした。


マイクのオススメ 2万〜3万円前半

ここからは低価格ですがプロの人も使うマイクになります。

プロも使うコスパのいいマイク「Audio Technica AT4040」

僕が持っているマイクで、AT2020の上位バージョンです。音の解像度がAT2020よりアップし、音抜けがすごく良くなります。プロでも使う人がいますので、長く使っても不満が出ないマイクだと思います。Audio Technicaらしく素直な録音ができます。AT2035よりグレードアップしたショックマウントがついてくるので、少しお金に余裕があるなら、AT2035よりこちらをオススメします。



とても便利な新世代マイク「Aston Microphones AST-ORIGIN」

ポップガードと簡易ショックマウントが内蔵されている新世代マイク。直でマイクスタンドにつけられたりと便利なため、中田ヤスタカさんがモバイル用の機材として使っているそうです。デザインもかっこいいのでやる気がでます。録音できる音はフラットな感じですので、Audio Technicaと使い比べて、好みの方を選んでもいいと思います。


一時期、女性歌い手に人気「Blue Microphones Bluebird SL」

一時期、女性の歌い手さんに人気だったマイクです。中域を少しふっくらとさせる特徴があり、声にその特徴が合えばいいマイクだと思います。
デザインがレトロでおしゃれ。意外に見た目ってやる気にも反映されるので重要です。ショックマウントもついてきます。


最近、女性ボーカルで買う人も多い「AKG C214」


オーストラリアのオーディオメーカーが製作しているマイクです。
上位クラスの部品を使いながらコストダウンをしたマイクとして高い評価を受けています。メーカーの特徴としては、非常に空気感を大切にする傾向があって、このマイクにもその傾向があり、女性ボーカルやアコギの録音なんかでいいとされています。ただ声質によっては合わない人もいるので、ある意味、個性を活かせる人に向いたマイクだと思っています。
ショックマウントやケースも付属するので、買ったその日から録音を始めることができます。
Audio Technicaが合わない人はこちらとの相性がいいようです。

オーディオインターフェイスのオススメ1万円代

オーディオインターフェイスは、基本1万円以上のものであれば、ちゃんと録音できます。最初に買うならこのレベルで十分です。

Cubase AI付属の「Steinberg IXO12」

ちゃんとコンデンサーマイクで録音ができて、CubaseというDAWの簡易バージョンCubase AIがついてきます。SteinbergというメーカーはYAMAHAの子会社で、CubaseというDAWを作っているメーカーなのですが、ハードを作っているのはYAMAHAです。PC機器も作っているYAMAHAなので比較的安定して動作するのが特徴。
単純に歌を高音質で録音したいという人に向いています。
ループバック機能を搭載しているので歌ってみた放送も可能ですが、DSP非搭載でリバーブなどのエフェクトを本体でかけられないため、少し不便だと思います。

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歌ってみた放送にも使える「YAMAHA AG03 mk2」

僕がサブ機として持っているオーディオインターフェイスの後継機です。
動画でいいのを探していたら、Vtuberのものが一番わかりやすかったので貼っておきます。Mk2になってからライブストリーミング推しで説明されている機器ですが、歌ってみた放送にも、録音にも、いろんな用途に使いたい人には最適なオーディオインターフェイスで、僕はかなり好きです。
まず音量の調整やミュートが直感的に使えるようになっています。さらに内臓のDSPで音質調整やエフェクトをかけることも簡単。歌っているときにエフェクトをかけて録音することも可能です。
しかもMac、Windowsはもちろん、iOSでも使うことができるのもポイント。PCやMacで使えるDAW「Cubase AI」、iOSで使えるDAW「Cubasis LE」も付属してきます。
この価格で、これだけの機能があり、様々なシーンで活躍できる機材は他にないので、個人的にはおすすめです。
(※人気機種なので、ステップアップする際に売りやすいです。)



USB-Cで接続できるタイプ 「Steinberg UR22c」


最近の新しいMacやPCに採用されているUSB-C接続できるものです。実績のある機種のバージョンアップ版の製品です。これも中身はYAMAHAが作っているのでドライバーも含め安定感があり、最初のインターフェイスとしては十分な性能です。
こちらもAG03と同じくDSP搭載でエフェクトのかけ録りもできるし、Win、MacはもちろんiOSでも使うことができます。さらにPCやMacで使えるDAW「Cubase AI」、iOSで使えるDAW「Cubasis LE」も付属。AG03ほど放送用の操作系が充実しているわけではありませんが、もちろんループバック機能搭載で、カラオケを鳴らしながら歌ってみた放送も楽しめます。AG03と同じように、いろんなシーンで活躍できるオーディオインターフェイスです。
録音メインで使うなら、こちらもおすすめです。


高級プリアンプを再現する「Focusrite Scarlett Solo 3rd」

イギリスの音響メーカーForcusriteという有名な音響メーカーの製品です。昔からプリアンプがいいと言われているメーカーで同価格帯のオーディオインターフェイスよりS/N比(ノイズの少なさ)が若干上がってクリアに録音できる印象です。特に3世代になってUSB-Cに対応し、さらにForcusliteの高級プリアンプの周波数特性を再現するAirという機能を搭載。低価格機でありながら録音性能の向上にチャレンジしている製品です。
Pro Toolsという録音スタジオで使われているDAWを搭載していて、ボーカルや楽器の録音なら十分です。ループバックはついていないので使い勝手はAG03の方が勝りますが、録音性能だけで選ぶならこちらを選んでもいいでしょう。マイク入力はひとつです。


「Focusrite Scarlett 2i2 3rd」

上で説明したForcusriteのマイク入力が2つになったものです。楽器などを録音する人には入力が2つあった方が便利ですので、こちらを選んでもいいと思います。


ソフトStudio Oneのミドルクラス付き「Personus Studio 24c」

こちらはStudio OneのミドルクラスのDAWがつくオーディオインターフェイスです。Studio One 5からミドルクラスのソフトでもサードパーティ製のプラグインが使えるようになったので、無料エフェクトやWavesなどの高品質なエフェクトも使えるようになりました。ハード自体も初心者歌い手の方にぴったりです。


ヴィンテージモードで暖かみのある音へ「Universal Audio VOLT1」

ビンテージコンプレッサーのメーカーでもあり、UADというエフェクトシステムも販売しているUniversal Audioの製品です。マイク入力をひとつにして録音の品質を落とさず、多くの人々が手に入れられる価格帯になっています。注目ポイントはVintageモード。Universal Audioの真空管マイクプリアンプをモデルにした機能で、録音した音に暖かみのあるアナログ感をプラスすることができます。
DAWはLive Lite、ピッチ修正ソフトはMelodyne Essential、他にも実用的なエフェクトが付属。歌ってみた初心者の方でもクオリティの高い音源を作り出すことができます。
買うお店でついてくるエフェクトが異なる場合がありますので、色々見てから購入してください。


オーディオインターフェイスのオススメ番外編

ここからは番外編として3万円以上のオーディオインターフェイスをご紹介します。このクラスになるとオーディオインターフェイスの中にある部品の品質、特にマイクの音声信号を捉えて増幅する「プリアンプ」やデジタルデータを生成する部品がレベルアップしていますので、高音質での録音が可能になります。予算があれば、こちらも検討してみてください。

スタジオの録音品質をこの価格で「SSL2」

スタジオで定番のミックスコンソール「SSL」の名を冠したオーディオインターフェイスです。
2万円代後半の価格で少し値段が高いのですが、SL4000のサウンドを再現する4Kボタンでアナログテイストを追加でき、エッジが効いたパンチのある音になります。録音メインで選びたいという人には、コストパフォーマンスがかなりいいオーディオインターフェイスです。
付属するDAWはLive lite、あとはピッチ修正ソフトのライト版やおまけの音源、1.5GBほどループ素材がつくので、お得度はそれなりに高いです。


コンプレッサーの名機を使える「Universal Audio VOLT 176」

Volt1の上位機種のシリーズでマイク入力をひとつに絞って価格を抑えたオーディオインターフェイスです。注目ポイントは下位機種にはないUnivasal Audioの名機1176コンプレッサーをエミューレートした機能を使ってかけ録りできることですね。付属ソフトも充実していて、DAWはLiveの簡易版ですが、ピッチ修正ソフトやエフェクトなどがついてきますので録音後のボーカル処理もできるようになります。ボーカリストにおすすめのオーディオインターフェイスです。


高音質部品の搭載で話題の「MOTU M2」

高級オーディオに使われている部品をはじめ、高音質にこだわった設計でありながら価格を抑えたオーディオインターフェイスです。このオーディオインターフェイスも3万円ほどなんですが、音質自体はもっとランクが上の数10万円するオーディオインターフェイスの音質だと思います。またクリアな録音性能も話題で、発売当初は売り切れ続出の商品でした。僕も少し買い替えを考えているオーディオインターフェイスです。


Universal Audio「Apollo solo」

Universal Audioというアナログ時代からプロ用のスタジオ機材を作っているメーカが製作したMac専用のthunderbolt接続できるオーディオインターフェイスです。
数十万〜数百万円するようなスタジオ機材を、内蔵するDSPの処理能力を使ってソフトウェア上で再現するUADシステムを搭載。歌い手の方へのメリットは、高価で買えないマイクプリアンプがついた機材とほぼ同じ音を手軽な価格で手に入れられます(追加でプラグイン購入費用がかかります)。マイクのレベルを上げたら、ぜひ使ってほしい機材です。

DAWはLUNAというMac専用の独自開発したものがついてきます。レイテンシー(微妙な遅れ)を抑えていて録音性能が高いのですが、使いにくいのが難点。ただ録音だけするという方は使ってもいいと思います。

僕は長年、Universal AudioのApollo Twinという機種をメインオーディオインターフェイスとして使っています。参考記事もぜひ。

“参考記事”
“愛用しているオーディオインターフェイス「Apollo


RME 「Babyface Pro FS」

RMEというプロ用オーディオインターフェイスメーカーの入門機です。ここはオーディオ信号をコントロールするソフト技術とオーディオ性能を高めるハード技術、両方を持っている音響機器メーカーなので安定性、信頼性は抜群です。しかも使いやすさを考えたUSB接続。いいマイクを買うなら、こちらも候補に入れてみてください。


オススメのセットは

歌い手初心者からのグレードアップを考えると、マイクは1万円台だとAT2035、MXL-V67Gのショックマウントがついているものがいいと思います。もしお金に余裕があるのならば、マイクは3万円以上のものを買うと比較的長く不満なく使えますので、トータルコストとしてはお得になると思います。

オーディオインターフェイスに関しては、DAWとセットならPresonusやSteinbergの音楽用オーディオインターフェイス、歌ってみたの録音メイン(放送しない)ならUniversal AudioのVoltシリーズがいいと思います。放送もするならAG03は多機能なのでオススメです。

3万円以下の歌い手セット

マイクはAT2020、オーディオインターフェイスはSteinberg「IXO12」のセットだと3万円切る価格で、マイク、オーディオインターフェイス、DAWを揃えることができます。お年玉やお小遣いで始めるならここからはじめて、歌の練習や機材やソフトの使い方を学びながらステップアップするのもあると思います。余裕があれば、マイクは少しいいものを買ったり、VOLT1など録音性能のいいオーディオインターフェイスを検討してみてください。

Audio Technica AT2020


Steinberg「IXO12」

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3万円台で歌ってみたも放送もやってみたい人

マイクは1万代のAT2020、AT2035、オーディオインターフェイスはAG03mk2がいいと思います。どちらの機材も汎用性が高くてなんでもやりたいという人にはピッタリです。
僕はAG03の旧型を今でもサブ機で使っています(メイン機材が壊れて、いまこれを使ってます)。人気機種なので批判も多いし、確かに高級機材に比べると音質面では劣るところがあります。けれど、あらゆることに使えて、あらゆる機器に接続できて、トラブルも少ない機種は他にないです。
もし気に入らなかったとしても、人気機種なので売りやすいです。
つまづかない最初の機材選択としてはベストだと思います。
冒頭の歌い手の子にオススメしたのもこのセットで、ここからステップアップしていきました。

Audio Technica AT2020


Audio Technica AT2035

上で紹介したマイクと同じシリーズですが、5,000円ほど高いです。
AT2020との違いは、ミックス時にカットしがちな低い音を、マイク側でカットするスイッチがついていることと、ショックマウントも付属していいること。ショックマウントを別途購入する手間が省けます。録音できる音はAT2020と同じくAudio Technicaらしい素直な音です。1万円代だと、これか、次でご紹介するMXL-V67Gがおすすめです。


YAMAHA AG03 mk2


3万円台で歌ってみたセット

マイクがMXL-V67G、オーディオインターフェイスがVOLT1のセットです。どちらもヴィンテージ機材をリスペクトした上でコストダウンを目指した機種で、歌うことに特化したセットですね。DAWはフリーのものを使うことになると思いますが、音質重視で機材を選んで3万円台に抑えるならこのふたつがいいと思います。

価格以上の録音品質「MXL MXL-V67G」


Universal Audio VOLT1


6万円台 歌ってみた専業セット

マイクはAT4040、オーディオインターフェイスはVOLT176のセットです。このクラスだと音質のクオリティが一段上がり、音楽をちゃんとやりたい、歌と真剣に向き合いたい人にはおすすめです。
AT4040の素直な特性と録音性能、そこにVoltのビンテージモードやコンプかけ録りもできる特徴を利用すれば、あらゆる音楽に対応できると思います。予算に余裕がある方はこちらも視野に入れてみてください。

Audio Technica AT4040


Universal Audio VOLT 176


まとめ

久々にこの記事をリニューアルするためにいろんな人に話を聞いたですが、千差万別、いろんな意見があります。
マイクもオーディオインタフェイスも、上を見たらきりがないので、予算と性能、そして自分に合うかどうかを考えて、選んでみてください。
最後に勘違いしている人がいますが、いい機材を買ったとしても音質が上がるだけで、歌が上手くなるわけでもなく、みんなから評価されるわけでもありません。音楽を学び、身体を鍛えて、ちゃんと練習する基本を忘れないでください。

合わせて読むと効果的なボーカル録音本

マイクや機材をそろえたら録音できるのですが、マイクとの距離、録音・編集の方法、そしてエフェクトの使い方をわかっているだけで、格段にいい音楽に仕上がります。いろんな録音本の中でも、有名エンジニア&教育者の方が書いた「歌は録音でキマる!」はかなりおすすめです。ぜひ読んでみてください。





買うときはサウンドハウスも見よう!

スタンドやケーブル、ポップガードなどはサウンドハウスが安くていいです。特にClassic Proというサウンドハウスの独自ブランドは低価格で品質も使えるものが多いのでトラブルも少ないです。また海外ものは直輸入のものも多く、代理店を通さないのでかなり安いものがあります。
音楽をやる人は必ずお買いものをしたことがあるサイトですので、ぜひ一度ご覧ください。

サウンドハウス

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