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【2024年】DAW作曲ソフトの選び方&おすすめ3選+無料も

DTMに必須なのは、DAW(Digital Audio Workstation)と呼ばれる作曲ソフトです。
このソフトは録音したデータを編集したり、シンセを鳴らすデータを作ったり、様々な音源を鳴らしたりできるのですが、複数あるためどれを選んだらいいのか、かなり迷うと思います。
そこで今回は自分の経験などをもとに、DAWの選び方やオススメのソフト、そして買い方などを忖度なしでご紹介していきたいと思います。

DAW(Digital Audio Workstation)とは

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ボーカルや楽器の録音・編集、ハードシンセやソフトシンセを鳴らすためのMIDI入力、曲のバランスを整えるミックス、最終的な音作りをするマスタリングまでできるソフトです。
ここ20年ほどで恐ろしく進化していて、今やこのDAWがないと音楽づくりができない状況です。また価格が安くなったためプロもアマも同じソフトを使うようになり、ボカロブームでも分かる通り、アマでもヒット作を生み出せるようになりました。
ただメーカーも多く、それぞれ特徴もあるため、最初にどれを選ぶかが非常に重要です。一度使ったDAWをずっと使い続けることになりますので、最初の選択は注意しましょう。

DAW選び、3つのポイント!

それぞれのソフトの特徴で選ぶのももちろんいいのですが、基本どのソフトでも作曲はできます。だから自分の周辺環境や自分の作りたい音楽で選んでいく方がいいと僕は思います。ここではポイントを3つにまとめました。

①教えてくれる人や仲間と同じDAWを選ぶ

僕はほぼ独学ではじめましたが、初期の頃はTwitterなどで知り合ったミュージシャンの方や友だちに助けてもらいました。特に助けてもらったのが、同じDAWを使う人たちです。
困るポイントやトラブルなどはどんどんネット上で共有して対応してくれます。例えば、初心者でよくあるトラブルは音が出ない!ということなのですが、すぐに解決することができました。だから、変に「自分は周りと違うものを選ぶぜ!」と孤高の戦士を気取らない方がいいです。
できるだけ周りの人と同じDAWを選ぶと、もしもの時も安心ですし、成長のスピードも速くなります。

②自分の作りたい音楽や憧れのミュージシャンで選ぶ

それぞれのDAWには特徴があって、例えばEDMなどのダンス系に向いているものがあれば、あらゆるジャンルに対応できるものもあります。また自分の憧れているミュージシャンの人と同じものを使うという方法もあります。
例えば中田ヤスタカさんはCubaseのヘビーユーザー。またサウンド アンド レコーディングマガジンという雑誌には、様々なミュージシャンの機材やソフトの話が掲載されているので勉強になりますよ。


③できればVSTが使えるもの

VSTとは、Steinberg社が提唱して広く使われているソフト音源やエフェクトなどの規格フォーマットみたいなものです。このVSTを使ったソフト音源やフリーのエフェクトは非常に多く性能がいいものもあります。
特にWindowsの場合は選び放題です。LOGICとProToolsは独自の規格を採用しており、有料版は多いのですが、無料版は少ないです。できればDAWはVSTに対応しているのものをおすすめします。

最初は無料版、または簡易版を使う

いきなり買わないということも大切です。
どのDAWにも必ず体験版(使用期限がある)が用意されています。体験版を使いながら、自分の制作スタイルに合っているのか、何よりも使い方やトラブルなどの情報を周りからちゃんと得ることができるのか、しっかり確認してからソフトを買う方がいいです。
個人的におすすめしているのがオーディオインターフェイスについている簡易版を使うことです。
僕の場合だと最初にCI2というオーディオインターフェイスについてきたCubaseAIというソフトを使っていました。この簡易版は機能制限はありますが、使用期限がないので、このソフトで打ち込みをしっかり練習。そのあとに正規版のDAWを買いました。
DTMは、打ち込みができなくて挫折する人が多いので、もし「自分にはできない!」と思った時でも機材を売ることで損失を回避することができます。

DAWのおすすめ① 日本のシェアNo.1「Cubase」

Cubaselogo

僕が使っているCubaseを最初におすすめします。
かなり古くからあるドイツのSteinberg社が開発したソフトで、日本ではシェアNo.1です。非常にソフトが多機能でかなりのことがこのDAW単体でできてしまいます。現在はYAMAHAの子会社でハード関連はYAMAHAが開発に入っているため、オーディオインターフェイスとの相性が非常によく、音が出ないというトラブルが少ないです。
数年前は多機能すぎて使いにくいという話もありましたが、現在はノートPCでも作業しやすいシングルウインドウにもなり、どんどん使いやすくなっています。またバージョンアップも定期的に行われており、これから先もなくならない可能性大です。

【メリット】 ■Win Mac両対応 ■たくさんの人が使ってる ■教えてくれる人やネット情報が多い ■多機能 ■ピッチ修正ソフト内蔵 ■シングルウインドウ ■CPUやメモリー消費を抑えるフリーズ機能が優秀(マシーンスペックが低くても使える)

【デメリット】 ■ソフトの値段が高い(サポートは充実している)


cubase おすすめの買い方

Steinberg製のオーディオインターフェイスを買うとCubase AIという簡易版のDAWがついてきます。
トラック数などに使用制限があるのですが、サードパーティ製やフリーのVST音源やVSTエフェクトが使えますので、格段にクオリティ高い作品が作れます。バンド形式のトラック数が少ない楽曲ならこれだけで作成できますよ。
また歌い手さんなどにもSteinberg製のインターフェイスをおすすめして買ってもらってますが、最低限のスペックのPCでもトラブルが少ないので、おすすめしやすいです。
もしDAWを単品で買うのであれば最上位バージョンのCubase Proがいいです。

USB-C接続のオーディオインターフェイス


Cubaseの簡易バージョンがついたオーディオインターフェイス で非常に安定しています。しかも低価格ですので初心者の方には買いやすく使いやすいモデルだと思います。Cubaseを選択される方はここから始めるのがいいと思います。


生放送にも便利なミキサータイプ YAMAHA AG03

こちらは便利で使いやすいミキサータイプ。こちらの機種は僕も持っているのですが、生放送などにも使えて便利です。


DAWを買うならcubaseの最上位モデル

Cubaseの最上位モデルです。DAWを買うなら最上位モデルをパッと買ったほうが機能も豊富で使いやすいです。


DAWのおすすめ②シェア急拡大!「Studio One」

Studioonelogo

Cubaseを開発していた人たちがSteinbergをやめて作ったDAWです。
Cubaseのようにレガシーのシステムがないことから、最新のテクノロジーで一から作り上げたため、発売当初から出音の良さが非常に評価されて、多くのミュージシャンがStudio Oneに乗り換えました。しかもCD制作ができるマスタリングまでをこのソフトだけで完結できる優れものでもあります。
初期は少し使いにくいかなというところもありましたが、バージョンアップするごとに改善されてます。
しかもこのソフトを発売しているPresonusという会社はハード機器も販売しているため、オーディオインターフェイスとの連動も評判がいいです。他のDAWのシェアを奪いつつ勢力拡大しています。
またりオーディオインターフェイスに付属するミドルクラスのバージョン「Studio one Aritst」でもサードパーティ製のプラグインが使えるようになりましたので、これから使う人がますます増えていくと予想されています。

【メリット】 ■Win Mac両対応 ■出音がいい ■たくさんの人が使ってる ■教えてくれる人やネット情報が多い  ■ピッチ修正ソフト付属) ■シングルウインドウ ■とりあえずシンプルで使いやすい ■最上位版のお値段がお手頃

【デメリット】■Cubaseのような多機能ではない ■付属の音源やエフェクトが少ない(ただ必要十分な機能はあるし、バージョンアップするごとに多機能化しています)


初心者にオススメの買い方

Cubaseと同じくPresonus製のオーディオインターフェイスにStudio oneのミドルクラスArtistが付属するものがあります。Studio One 5にバージョンアップされてからサードパーティ製のプラグインが使えるようになりかなりお得になりました。
またStudio Oneの講習会などにいくとStudio One Artistをタダでもらえたりする時がありますので、よくチェックしておきましょう。
初心者にオススメの買い方としては、オーディオインターフェイスについているStudio One Artistで練習した後にStudio One Profesionalにバージョンアップするという方法です。もちろん長く続ける自信があるならいきなりProfesionalを買っても問題ないと思います。

USB-CのオーディオインターフェイスStudio 24C

Studio oneを作っているpresonusのオーディオインターフェイスです。価格も安く、機能的にも必要十分ですので、最初のオーディオインターフェイスにぴったり。Studio one artistが付属しますので、作曲を始めるにはベターな選択です。


DAWを買うのなら最上位モデル

DAWを直接買うなら最上位モデルを買った方がいいです。フル機能が揃うので作曲がスムーズに進みます。


DAWのおすすめ③ダンス系に強い「Live」

Livelogo

こちらはダンス系などのトラックメイカーやミュージシャンが非常に多く使っているDAWです。
いくつかのパターンをブロックで制作し、それを並び替えてトラックを作っていけるので、ループが多いダンス系では作りやすいです。またフィルター処理など、ダンス系では必須の機能が使いやすく、パッド系のハード機器などとの連携も得意なのでビートメイキングやリアルタイムパフォーマンスでも活躍します。
ただ開発スピードが少し遅いです。またいろんなジャンルを作りたいという人には、CubaseやStudio Oneの方が最終的には作りやすくなります。

【メリット】■ダンス系ミュージシャンが多く使っている ■パッド系のハード機器との連携が得意 ■特定ジャンルの人が使っている 

【デメリット】 ■ミックス以降の作業は他のDAWを使う人が多い


おすすめの買い方

こちらはハード機器を最初に買うことをおすすめします。ビートメイキングを中心にする方であれば、Pushというパッド系のハード機器がありますので、それを買うと最下位バージョンのLive Introがついてきます(上位版とのセットもあるので機能比較を見て選んでください)。
このLive Introはサードパーティ製のVST音源やエフェクトを使えますが、トラック数に制限があるので、ここが不足すれば上位バージョンに移るという方法もあります。
またForcus LiteというメーカのオーディオインターフェイスやM-Audioというメーカのオーディオインターフェイスやキーボードを買うとLive Liteという簡易版がついてきます。こちらを買って練習するという方法もあります。
ただちゃんとDAWを買うとしてたらLive Standard。もし付属のエフェクトや機能で欲しいものがあれば、最上位機種のLive Suiteを買うという方向で考えるといいと思います。僕は鍵盤についてきたLiveを使いましたが、いろんなジャンルの音楽を作りたいという人には少し向いてないかなと思ってやめました。

ビートメインキングに便利なPush

Abletonが作っているハード機器です。ビートメイキングする人たちはよくこれを使ってます。これにも下位バージョンですがLiveがついてきます。


Live Lite付属のForcusriteのオーディオインターフェイス

こちらはイギリスのメーカーのオーディオインターフェイス です。非常に安定しているので初心者の方にもおすすめ。Liveの簡易バージョンがついてきます。


Liveのスタンダードモデル

Liveの場合は、スタンダードモデルで十分作曲ができます。機能表を見て、もしほしい機能があれば、上位バージョンを購入するといいでしょう。


おすすめ番外編1 MACとの相性抜群!「LOGIC pro」

こちらは現在Appleから発売されているDAWです。
もちろんMacだけでしか使えませんが、Macとの相性は確実です。昔はエンバイロメントという少し特殊な使い方をするものだったんですが、現在は他のDAWと同様使いやすくなっており、比較的使用しているミュージシャンも多いです。
ただVSTではなく、AUというプラグインフォーマットを利用しているため、フリーの音源やエフェクトが少ないです。けれどDAW単体の値段が安く、おまけのサウンドループが豊富なので、コストパフォーマンスは他のDAWより圧倒的に高いです。
あとLogicを使っている人たちは他のDAWを使っている人たちと比べて少数派だからか結束力が高いです。周りに使っている人がいるならば、使用してもいいと思います。
僕がLogicを選ばなかった理由は、エンバイロメントがチンプンカンプンだったこと。それと周りの人がCubaseを使っていたこと。そしてバージョンアップが少し不安定なため、将来性が少しないかもと思ったからですが、いまだにバージョンアップされているので、しばらくは大丈夫だと思います。

おすすめ番外編2 これが無料で使えるなんて!「Cakewalk」

今回、唯一の無料DAWでWindows専用になります。
シンセサイザーでお馴染みのローランドが開発していたDAWで「SONAR」という名前で販売されていました。なぜかギターリストが使っている印象が強いDAWです。
その後、ギターで有名なギブソンが買い取ったんですが、なんと経営破綻。そしていまはシンガポールの会社Band Labが買い取って無料のDAWとして公開されています。
ツイッター上では「#ソナー落ちた」というハッシュダグができるくらい特定の環境下では不安定になるDAWでしたが、2019年の大幅バージョンアップで徹底的にバグを潰したそうです。おそらく無料DAWでフル機能を備えているものとしてはかなり優秀だと思います。
僕はてっきり消滅したと思っていたのですが、昨年、作曲をはじめたいという子に余っている機材を貸した時に、その子が使っていてビックリしました。もし無料のDAWを選ぶときは、これをおすすめします。
ただ使用している人が少なく、また今後の展開も読めませんのでできれば別のDAWで慣れた方がいいと思います。

長く付き合うものだから慎重に選んでください

一度DAWを選ぶとなかなか別のソフトに変更しないので、最初に何を選ぶかが重要です。
今回オススメしてない、Pro Tools(録音スタジオむけで作曲しにくい)やDigital Performer(今巻き返しているけど・・・)、FL studio(ヒップホップ系の人がよく使ってる)など他にもDAWはありますが、アマチュアで使っている人の人口が日本では少ないのでおすすめしていません。使用目的によっては向いている場合もあります。
おすすめ3選したものは、どれも使ったことがあり、初心者からDAWを始めるなら最適だと思っています。あとは自分が何を作りたいのか、自分の周りが何を使っているのか、しっかりリサーチした上で選んでください。

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