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「Summer Life」動画制作解説

今日は先日アップしたSummer Lifeの動画制作について解説します。
今回は、次のステップのために新しいことに挑戦しました。再生数はそこまで伸びませんでしたが、制作工程などがきっちりできたので、次回はかなりのスピードで動画を制作することができると思います。

まずはお聞きください

今回のコンセプトは「ミクとデートに行く」です。
1枚絵のミクを背景を変えるだけでどれだけ保たせられるかやってみました。After Effectsでカメラを動かすテストも兼ねていたので、ちょっとカメラ酔い直前くらいまで動かしています。

イラスト発注に関して

イラストに関しては、今回もまたたび団子さんにお願いしました。
今回の要望は、①かわいい夏の彼女を描いてください。②背景を変えてデートをしている雰囲気を出すので全身描いてください。③最終カットに近いところでイラスト全部を使いますので、背景は描きたいものを描いてください。という3つを出していました。(仕様や納品形態は別途出しています。)

制作前に打ち合わせ

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前回で作業の方法やイラストのタッチなどがわかりましたので、個人創作なのですが作業にムダが出ないように、発注時に仕様や要望とともに写真による人物や衣装の方向性を決める資料(上記写真・モザイク処理してます)も添付して打ち合わせをしました。
夏の彼女というアイコンでわかりやすい白ワンピから、ショートパンツまで幅広く集めたんですが、露出少なめのいろんな場所に行ける服ということで、ジャンパースカートに半袖という構成になりました。衣装の色は青系のものがラフで上がってきたんですが、夏の背景で寒色系を使うと埋没するので暖色系に変更してもらいました。

イラストについて

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イラスト全体です。海に遊びに行くミクですね。
レイヤー構成や細かなディティールまでチェックしてるんですが、かなり細かいです。psd形式でデーターをいただいたんですが、After Effectで読み込んだときにレイヤーモードが外れるため、動画ソフト上で再構成しています。

人物、全身

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こちらが人物の全身です。大きめの写真を載せてみました。これもレイヤー分けされていて、特に太陽光や地面からの反射レイヤーもあって驚きました。

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拡大しても使いたいですってお願いしていたら、かなりのディティールで描いていただけてました。すごいです。

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足元も女の子っぽい雰囲気で、歩きながらもちゃんと重心の移動や動きを感じるイラストに仕上げていただいてます。最終カットは足元にしようとイラストを見た時から決めてました。

動画ソフトはAfter Effects

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今回はAfter Effectsを初めて使いました。Premireで作った方が速く制作できる内容だったなと思いますが、今後のことを考えると制作工程も含め、しっかり使ってみようと思ってやってみました。
途中でプリコンポーズしてまとめたりもしましたが、レイヤー数が200を越えています。
今回、特に有意義だったのは、カメラレイヤーをヌルで動かすことに慣れたことですね。イラストや文字を3D上に配置して動かすこともできるようになりました。

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唯一After Effectsっぽいことをしたところがラストカット。砂を光らせています。
バーティクルでキラキラを入れました。わかりやすく入れたものも作ったのですが、下品だったので、うっすら人知れず入れています。

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歌詞を簡単にテキストレイヤーに「NotepadNS」

歌詞入れには、「【After Effects スクリプト】NotepadNS」を使いました。
テキストファイルを読み込んで、動画に入れ込みたいテキスト部分を選択。after Effects上で選択しているレイヤーの上にテキストレイヤーをサクサクと追加することができます。
製作者さんとtwitter上でお話ししましたが、対応できるのは横書きだけで、縦書きはAfter Effectsの仕様上対応できないそうです。ただ歌詞の配置をAfter Effects内で完結できるので、かなりのスピードアップにつながりました。
Boothでダウンロードできますので、ご興味の方はぜひ使ってみてください。

背景画像のイラスト加工

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リアルな風景写真をイラスト風にする加工方法はいろいろあります。
有名なのはアニメ風背景にするものですが、アニメ風であって、イラストの背景風ではないなと思いました。またたび団子さんが描く背景は塗りが魅力なので、そちら方向になるように、あと簡単に加工できる方法を考えました。
一番よくできてるなと思うのは上記の写真で、フォトショでイラスト風にしています。ミクを置いても馴染んだんですが、この加工がよくできたので、これだけ単品でサックスソロ部分に使いました。

写真をイラスト風に加工する工程

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こちらが元の写真です。比べていただくとわかりますが、イラストっぽい背景になっていると思います。
加工方法は簡単で次の3行程が重要です。

①Camera Rawフィルターで、色味やトーンを変換します。コントラスト高め、できれば寒色系か、彩度を上げてビビットな方向に極端に変化させます。

②その上で油彩フィルターをかけます。ゴッホみたいな絵になるんですが、極力設定を細かくして、元の写真が残りつつ、油彩になるように調整します。

③ダスト&スクラッチをかけます。油彩加工すると現れる絵具の段差を消して、水彩のような少し滲んだ加工にします。

とても簡単なのでイラストを描いてるときに背景めんどくさいな!というときに使ってみてください。人物イラストと合成するときに距離感の調節でぼかしをうまく利用すると、明るいレンズで撮影したボケの多い写真っぽくなりますよ。
足元が接地してないイラストほどやりやすいと思います。

人物との合成

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人物イラストとの合成は、After Effects上で行いました。
ミクの大きさを決めて、背景画像のボケ具合を調節。足を接地させる場合は、影は墨で描いておいて、写真に合わせて彩度と透明度を調整しました。実はミクをもう少し背景となじませる加工もできたのですが、埋没するのでやめました。

今回の反省点

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今回の制作で気づいた問題点や今後の動画制作に活かせるポイントをここで書いていきたいと思います。

日本の夏を感じる写真がフリーで少ない

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日本のフリー写真で季節を限定すると写真探しに苦労するのは予測していましたが、まさからここまで難航するとは思っていませんでした。
太陽の光が強い写真は多いんですが、日本人が夏をイメージする際に空の雲や青空のトーンが非常に重要なのに、それを表現できている風景写真がすごく少なかったです。(フリー写真サイトを運営する方は、このあたりの写真に需要があると思いますよ!)
代わりに地中海系の街なみの写真をセレクトしてきたため、「ミクといく!地中海・イタリア、ギリシャの旅」になってしまいました。もう旅行にしたれ!と思ってピラミッドやトルコのイスラム寺院も用意していましたが、さすがに使うのは・・・と思ってやめました。

カメラの動きと曲のテンポ

実はカメラの動き方と曲のテンポがあってないところが多いです。それは写真の都合と、僕が魅せたいところの兼ね合いでやっちゃったことなんですが、やはり曲のPVなのでテンポに合わせて動かす必要があったと思います。

テキストの動きや色

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今回、After Effectsを使ったので、テキストアニメーションも色々と使えたんですが、最終的にはあまり使わない方向になりました。
理由は、準備した背景画像の視認性が悪くなり、うるさかったからです。せっかくなのでミクと旅行に行く雰囲気を味わって欲しいので、テキストが少し邪魔かなと思いました。次回はテキスト重視の動画制作もするので、そのときに今回の経験が活かせればなと思います。

AEとPRの連携

After Effectsで動画を制作し、仕上げと音との合成はPremire上で行ったんですが、adobe同士だしスムーズに連携するだろうと思ってた僕が甘かったです。
PremireにAEのプロジェクトを読み込ませるのに少し手間取りました。おそらくPremireからAEに行く時もクセがあると思うので要注意かなと思っています。

夏の努力は無駄じゃない

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今年の夏は仕事の合間に曲のアレンジと写真探し&写真加工、さらにAfter Effectsの使い方を覚えるという状況でした。
努力はかなりしたんですがクオリティはもうちょっと上げられたんじゃないかなと正直思っています。ただ次のステップアップにつながる経験はできたと思うので、次の作品も頑張って制作していきたいと思います。

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