いよいよCubase11のほぼ全機能レビューもエフェクトに突入です。
メーカーのHPを見ながらひとつずつ使ってみたんですが、全部で80近くあるので大変でした。昔よりもかなり増えていて、初心者の人はこれで十分だし、中級以上の人にも使える便利なものもあります。
各プラグインに一言レビューしてもかなりの量なので、前後半に分けることにしました。それでは紹介をはじめていきます。
Wavesにはない豊富なプリセット
エフェクトプラグインだとWavesが有名だと思うんですが、そこにも楽勝で勝てる特長がCubaseにはあります。それが「豊富なプリセット」!
各エフェクトごとに大量のプリセットがあるのはもちろん、EQやコンプなどを組み合わたトラックプリセットというものもあり、音楽ジャンルや楽器に合わせて選べるようになっています。
曲作りはできても、ミックスは苦手!という人には非常に便利なものなので、ぜひ有効に活用してください。
EQ
EQは質感の高いものから、簡単にズバッと削れるものまで複数のEQを搭載しています。
作る曲のジャンルや自分が目指す音作りに合わせてチョイスしてください。
Frequency EQ 2
今流行の音量やサイドチェインに合わせてEQを自動で変化させられるダイナミックEQにもなる新しいプラグインです。
かなり細かな設定もできるので、個人的にはEDMっぽい曲に使ってみたいと思っています。
DJ-EQ
DJ機器についているようなざっくりの帯域をズバッと効果的に削れるEQです。
Hi、Mid、Loの三ヶ所を上げ下げするだけでわかりやすく変化するんですが、個人的にはあまり使う機会がありません。MIX用というよりは、効果をつけるときに最適です。
Standard Channel EQ
ミキサーのチャンネルに内蔵されているEQで、初心者時代にはお世話になりました。
新しい機能として、他のチャンネルと波形を見ながら比較できる機能が付きました。ただNeutronのように被
っている帯域を表示してくれたり、自動で調整してくれる機能はないです。EQとしては、普通に使えます。
StudioEQ
普通のEQです。普通に使えます。
GEQ 30
ハードのEQを感じさせるグラフィックイコライザーです。
全然グラフィカルじゃないじゃん!と思う人もいるかと思いますが、こういうレバーで上げ下げするタイプのものの名前ですね。
こちらは30バンド(帯域)をレバーで調整できるんですが、使いこなしたことはありません。邪魔な帯域はどこかなと探るときに、たまに使ってました。
GEQ 10
10バンドを調整できるグラフィカルイコライザーです。今の時代、あえて使わなくてもいいかなと思います。
Voxengo CurveEQ
Cubaseにしては珍しく他社製のプラグインです。
64バンドを調整できたり、リファレンスの周波数特性を読み込んで適応できるスペクトラムマッチングテクノロジーがすごいと評判でした。
EQの質感としては問題ないし使えるEQです。ただインターフェイスがもっさいので使っていません。
Filter
フィルターに関しては、複雑なことをするタイプよりシンプルで操作が簡単なものが多いです。シンセ内蔵のものより使いやすかったり、ボーカルなどの処理で使う人がいたりと様々なので、自分のお気に入りのフィルターを見つけて使ってください。
MorphFilter
スワイプなどのフィルターによる音色変化を操作しやすいシンプルなモーフィングフィルターです。操作がグラフィカルで簡単なので、えぐい掛け方が必要ない時はこれを使ってます。エレクトロ系で効果を発揮するフィルターです。
StepFilter
パターンを組んでリズムに合わせたフィルター調整ができるプラグインです。
昔、音を小刻みに刻むトランスゲートみたいな使い方をしていました。ループのパータンを組むだけで使いやすいです。だた少し複雑なパターンを組む時は、MIDIノートで操作できるMIDI GATEというプラグインでコントロールしていました。
WavesのMetaFilterを買ってから使ってなかったので、懐かしかったです。
DualFilter
cubaseでいちばんシンプルなフィルター。僕は使用頻度が少ないんですが、ボーカルの処理からシンセの調整など、様々な目的で使う人が多いフィルターです。普通に使えます。
ToneBooster
トーンコントロール用のフィルターを用いたブースターです。
ギターを弾いている方にはお馴染みなのかなと思います。メーカーHPには「アンプシミュレーターと組み合わせて出力レベルの低い楽器のボリューム調整に便利です」と書かれていますが、現在は別の方法でもレベルを上げられるので、僕は使わないプラグインです。
WahWah
オートメーションやMIDIなどでコントロールできるワウです。オートメーションが使えるようになれば、誰でも使えます。特に不満のないプラグインです。
Reverb
質感や操作性、視認性などは最新のリバーブには劣りますが、十分に空間表現のできるリバーブがあります。
REVerenceとREVelationは使いやすいので、初心者の人は他のリバーブを買う前に、これで勉強するといいと思います。あとリバーブの比較動画などで「Cubaseのリバーブはイマイチ」みたいな動画がありますが、それセッティング悪いだけだろ!っていうものもあるので、自分の耳で調整しながら使ってください。
REVerence
実在するホール、ルーム、機材の音響特性を再現できるコンボリューションリバーブです。自然な空間表現が得意なので、別のリバーブを買うまではこれを使っていても十分だと思います。ホール、ルーム、プレートなどのリバーブの使い分けを勉強した上で、プリセットをうまく活用してください。
REVelation
「アルゴリズムリバーブ、有名なリバーブ機材を再現」とメーカーHPに書かれていたので、たぶんLexiconのデジタルリバーブを元にしているんじゃないかなと思ってます。 (実機を使ったことがないのでなんとも言えないんですが)残響のコントロールが簡単なので楽器系で使うといいなと思いました。
REVerenceと使い分けるとかなり面白いと思います。
RoomWorks
こちらは昔からCubaseに搭載されているエフェクトです。特徴的なのがEfficiencyというパラメータで、CPUの負荷を減らすことができます。マシーンスペックが十分ある人は、REVerence、REVelationを使えば問題ないと思います。
RoomWorks SE
RoomWorksの簡易版です。安いCubaseのグレードにもついているもので、最初のリバーブとして使い方をマスターするにはいいと思います。
Delay
ディレイ系はステレオディレイとピンポンディレイなどの定番と、ちょっと変わり種ディレイがある感じです。Mulitap Delayは少し変わり者なので、今度じっくり使ってみたいなと思いました。
MultiTap Delay
最大8つのポイントを設定して、タイミング、パン、エフェクトなどまで調整できるディレイ。ちょっと自分でいじるのは大変なんですが、エコー的なものなど、かなりいろんな表現ができて面白いです。リズムやダンス系なんかに突っ込んでみたいディレイです。
Stereo Delay
ステレオの左右にディレイタイムや設定を変えたDelay音を作れるプラグインです。僕が最初に読んだMixの本がやたらとディレイを使う本だったので、よく使っていました。普通に使いやすいディレイです。
Ping Pong Delay
ディレイ音が左右交互に鳴るプラグインです。いろんな場面で多用されるエフェクトなので、昔はよく使ってました。最近はWavesを買ったのでそっちを使う機会も増えていますが、Cubase付属のものでも十分実用的で使えます。
Mono Delay
普通のディレイです。
ModMachine
ディレイとフィルターが組み合わさったCubase独自のエフェクターです。確かに面白いんですが、使いどころがわからず使ったことがありません。特に面白いのがNudgeというボタンで、これを押すと再生スピードが速くなってスクラッチみたいな音になります。今度リズム系にかけて使ってみようと思います。
Modualation
ここはリングモジュレーションなどシンセに内蔵されているエフェクトの外出しみたいなものや、ChorusやFlangerなどギターでよく使われるエフェクターが多い印象です。
ギターはアンプシミュレーターで処理するし、シンセは内蔵のもので処理するので、最近は使っていないものも多いんですが、ちょっと機会が会ったら使ってみようかなと思うものも久々に見つかりました。テストで使うって大切ですね。
Auto Pan
パターンを組んで音を左右に動かせるプラグインです。最近、こういうパンをフルようなものはシンセ内でできるものが多いので使ってません。そういう曲もあまり作らないので・・・
Cloner
ピッチをずらすデチューンとディレイの組み合わせエフェクトです。最大で4つかけられるんですが、使用用途としてはボーカルのダブラー(ピッチやタイミングを微妙にずらして音を太くする)やシンセ音の加工などにも使えます。
Loop Mash FX
テープストップやスタッターなどが簡単に操作できるDJ系のエフェクトです。あまり使う機会がないんですが、遊んでみると楽しいですよ。
Metalizer
金属的なサウンドが得られるエフェクターです。シンセ音の加工などで使えるかなと思いましたが、massiveやSSerumなどの最新シンセを使い始めるとおそらく使わなくなるエフェクトだと思います。
Chopper
トレモロとオートパンを組み合わせたエフェクトです。聴覚上の効果はかなりあるんですが、使いどころが思い浮かびませんでした。何か変化が欲しい時に使ってみます。
Phaser
普通のフェーザーですが、マルチチャンネルに対応していてSpatialというパラメーターを触ると、3次元効果を出せるそうです。
Studio Chorus
こちらは2段階のコーラスエフェクトでディレイもいじれるため、ダブラーとしても使えます。
Chorus
1段階のコーラスエフェクトです。普通に使えます。
Rotary
ハモンドなどに搭載されていたロータリースピーカーの音色変化を再現できるプラグインです。オルガン系やエレピなどに使ってみるといい感じでした。
Flanger
フランジャーで普通に使えるんですが、これもマルチチャンネルに対応していてSpatialというパラメーターを触ると、3次元効果を出せるそうです。
Tremolo
トレモロです。これも普通に使えます。
Vibrato
ピッチを揺らすことでビブラートを再現するエフェクトです。ちょっと使いどころがわからないエフェクトでした。
Ring Modulator
ベルのようなサウンドを作り出すプラグインです。最近のシンセには標準でついているものも多いですが、フリー音源などついていないときは、こういうエフェクトを使うといいかなと思いました。
Tranceformer
シンプルなリングモジュレーター。使わないですね。
定番から変わり種まで豊富なエフェクト
オーディオエフェクト紹介の前半、いかがだったでしょうか。
Wavesなどのプラグインを使い出すと使わなくなるものも多いと思うんですが、定番の中でも処理の使いやすから、プロのミュージシャンの人が愛用しているものもあります。初心者の人は、全部使う必要はないです。自分の作りたい音に必要なプラグインを見極めて、使い込んでください。
後半に続く
“Cubaseのセール・おすすめの買い方”