僕はマーケティングと言う言葉が嫌いだし、マーケの専門家ではないので、あまり使わないようにしています。ただ最近は、いろんなところでマーケティングと言われるようになって、アマチュアミュージシャンの世界でもブログなどで書く人が出てきました。商売で使うマーケティングをそのまま引用してくる人が多いので、ああ間違っているなと思うことも多いです。
そこで、アマチュアミュージシャンが実践した方がいい初歩のマーケティングをご紹介します。
目次
モノを売らない!別の目的が大事!
「マーケティング=モノを売る方法」と考える人が多いですが、それは少し狭い考え方かなと思います。企業だと、集客を増やす、いい人材を集める、イメージを変えるなど、いろんな「目的を解決する筋道を作ること」がマーケティングと呼ばれることだと僕は思っています。最近、広告業界ではStrategy(戦略)って言うことが多いです。
そこでアマチュアDTMerの目的を考えると、第一は「自分の作りたい曲をつくる」ということだと思います。第二に「たくさんの人に聞いてもらう」、第三「あわよくばお金にしたい」という順番ではないでしょうか。このように考えると、売る系のマーケティングとは違う戦略が必要です。
アマチュアミュージシャンに必要な5つの戦略・戦術
では具体的に取り組んだ方がいいと考える戦略や戦術について5つまとめてみました。
①自分と友達の満足を最終目的に
アマチュアDTMerは自分の作りたい曲を作って発表し、できれば多くの人に聞いてもらいたいと思う人が多いと思います。ひと山当たればいいかなくらいは思うけれど、これで生活費を稼ごうという人は少ないのではないでしょうか。そうすると、自分の作曲意欲やスキルの向上、一緒に聞いてくれる仲間の喜びなどが第一の目的になりますよね。自分と仲間、できれば聞いてくれる人たちの満足というものを中心にして、全体のコミュニケーションを組み立てていくことが大切です。
②いい曲を作る いい動画を作る
自分や仲間を、そして聞いてくれる人を満足させるには、いい曲を作るということが大前提です。自分の好きな曲を作る、そしてそのレベルを高めることで完成度を上げる。そうすると、まず自分の作りたいという想いを成し遂げることができます。そしてレベルを上げることで聞いてくれる人の満足度も上げることができます。ここを疎かにしてマーケティング!とか言って方法論に走ると大体失敗しますよ。
③コミュニティを作る
次にターゲットや曲をアピールする場が必要になります。その時にマーケティング的な市場を考えるよりも、自分のコミュニティをどう形成するかを考えた方がいいです。
例えばボカロ曲を作ったとして、その動画を上げてクラッシックが好きな人に向けてアピールしても無意味ですよね。かと言って、無名のアマチュアの曲を聞いてくれる人は少ないです。だから普段からSNSなどを通して、自分が曲を出した時に聞いてくれるお友達を作っておくことが大切です。
この方法では再生数は多くならないかもしれません。けれど、確実に聞いてくれて、感想をフィードバックしてくれるお友達ができます。そして、そのお友達がいい!と思ったら曲を広めてくれます。
そうやって、少しずつ自分のコミュニティを形成して曲を広げていく活動をしていくと、音楽活動が楽しくなります。
④丁寧に謙虚に宣伝する
曲や動画をアップしたら、もちろんSNSで宣伝はしましょう。
宣伝のしすぎは嫌われるとも言われますが、正直、嫌われると思う方も自意識過剰かなと思います。普段広告の仕事をしていて思うのは、嫌われるよりも無視されたり、スルーされたりすることの方が圧倒的に多いです。
例えば、大好きなテレビ番組がCMに入ったから、この番組のスポンサーだからしっかり見て応援しなくっちゃ!とは思いませんよね。トイレに行ったり、飲み物取りに行ったりするはずです。
twitterでの宣伝も同じです。数多あるツイートの一つとして一瞬で流されますから。ちょっと多めかなと言うくらいが丁度いいです。ただ謙虚な文面は心がけてください。
⑤友達の曲も聞く・宣伝を手伝う
さらに重要なのは、フォロワーさんや友達が曲を上げた時にちゃんと聞いてあげること。そして宣伝していたら、リツイートしたりして手伝ってあげることです。
情けは人のためならず、必ず自分に帰ってきます。単純にリツイートするだけでなく、コメントを書いたり、感想を書いたりすることも大切です。こういう普段の活動が自分の曲を上げた時に、跳ね返ってきます。
コミュニケーションの大切さを理解する!
SNS時代のアマチュアのマーケティングは、意外に地道な努力が大事です。大きな会社やマスのメディアはそう言う地道な活動ができないため、ネットの世界では苦戦することも多いです。地道な友達作りと自分の実力アップが伴ってくると、ファンマーケティングを行うことができます。まずは地道なコミュニケーションからはじめてください。