最近はセルマーよりも、ヤマハのカスタムが人気らしいですね。ヤマハのカスタムは吹きやすくて、最初から良い音がするので有名でしたが、最近はさらに進化しているようですね。セルマー社もその流れを受けてJubileeモデルが出てきているようですが、これセルマーじゃない感がありますよね。ということで、最近、人気の機種がセルマーのスーパーアクション80 シリーズ2(以下SA80シリーズ2と省略)らしいです。僕が新品で買った楽器なんですが、「いいですねーオールドもの!」って言われて、先日ちょっとショックを受けました。
ということで、今日は僕が持っているサックス SA80シリーズ2についてご紹介します。
目次
まず、セルマー社のサックスとは
まず、簡単にサックスの歴史を解説しておきます。サックスを作ったのは、ベルギーの楽器製造者アドルフ・サックスさんで、木管楽器と同じリード楽器でありながら金管楽器と同じように管体が金属でできた楽器として1840年ごろに誕生したそうです。
そしてフランスのセルマー社はクラリネット奏者アンリ・セルメールさんがクラリネット製造から始めた会社で、1921年からサックスの製造をはじめ、1929年にアドルフ・サックスさんの工房も買収しています。発明者から繋がる直系のサックス製造会社と言っていいでしょう。
1954年から製造されたマーク6というモデルが超有名で、あらゆるJAZZをはじめ、あらゆるプロ奏者が使用していました。僕が真面目にサックスをやってた時にビンテージとして人気があった楽器です。
SA80シリーズ2は、年代によって3タイプあるらしいです。
SA80シリーズ2は、ヤマハなどの日本メーカーの台頭を受けて改良されたSA80の2代目です。バージョンとしては3パターンあるらしく、
初期はSA80とほぼ同じ。
中期モデルは、パーツの軽量化などを考えたモデルらしいですが、セルマーらしいずっしりとした重さがあります。
後期モデルは現状のJubileeシリーズへと繋がるモデルで、セルマー社でストがあり・・・と風の噂に聞いたことがあります。
とはいえ、楽器専用で金属を鋳造することはないので、カタチはママでも薄さや質が変わって音が変わっていくもんですからね。いろいろ癖はあると思います。
とはいえ、セルマー社のサックスは、吹けば吹くほど自分にフィットする楽器に変わっていきます。最近はたまにしか吹けないのですが、それでも吹くと、おっ俺のことちゃんと覚えてくれてるんだ、という気持ちになります。
僕の楽器はSA80シリーズ2の中期モデル
これが僕のアルトサックス です。もう付き合ってうん10年。最近は吹くことも少なくなりましたが、月に何回かは必ず演奏して、1年から半年に1回リペアの方に見ていただいています。
中期モデルの特徴としては、シリアル番号の下のリングにギザギザが付いてないことですね。あとはいろんなところが初期モデルと違うらしいです。
これが裏っかわです。比較的現代に近い楽器ですのでハイF#キーもついているので、マーク6などと比べると指回しはしやすい楽器かなと思います。僕らの時代はマーク6やマーク7がオールドものとして人気だったのですが、僕は楽器が一生物って知っていたので、新品で買って添い遂げるつもりで、めっちゃバイトして買いました。
ネックだけが特別。GPネック
唯一他のSA80シリーズ2と違う部分はネックです。GPネックといってこの部分だけ金メッキが施されています。写真でも色が違うのがわかるのではないでしょうか。このネックも最初からですし、他のネックの楽器も吹いたことがありますが、クッと音が締まる感じがします。
サムフックとサムレストを金属に交換
ほとんど改造はしていないのですが、唯一いじったのがサムフックとサムレストです。デフォルトはプラスチック製なんですが、金属のものに交換しました。効果としてはかなり倍音が出やすくなり、フラジオが楽に出る感じがします。
まずサムレストですが、石森楽器が製作しているWoodStoneのものです。ここは自分で交換できないので、必ず楽器屋で交換してもらってください。
サムフックの方もWoodStoneのものです。この部分を交換してからフラジオが凄くなりやすくなりました。
添い遂げる楽器だと思ってます
最近のセルマーは初っ端からなりやすいらしいのですが、昔のセルマーはどんどんと馴染んで行く感じの楽器かなと思います。同時にクセがすごく着く印象があります。今だに他の楽器を吹いて、自分の楽器を吹くと、帰ってきた!という感じがしますね。まさに本妻。ギターなどと違い管楽器は乗り換えるにしても値段が高いので、基本は続ける覚悟を決めて最初からいい楽器を持った方がいいと考える派です。僕がこの楽器を買った時は、JAZZをするならマーク6買えよ!とか色々言われましたが、年月が立って、この子と一緒に生きてきてよかったなと。
あんまり吹いてあげる時間がないのですが、墓場までいっしょに行く楽器です。