ヘッドホン & イヤホン

【2024年】DTMerや歌い手さんにおすすめのモニターヘッドホン

最近は住宅事情もあり、DTMをしながら作曲&ミックスをする時にヘッドホンが中心という方が多いと思います。時代的にもスピーカーで聞くよりはヘッドホンやイヤホンで聞く時代ですので、ヘッドホンの需要はますます高まっています。
ただモニターヘッドホンはこれだ!というものがなく、たくさんのメーカーから出されているため、どれを使っていいのかよくわかならない人も多いと思います。
今回は、そんな方にどうやってモニタースピーカーを選んだらいいのか。またオススメのモニターヘッドホンはどれなのか、ご紹介していきたいと思います。

(2024年追記。開放型の新しいものをセレクト中なので、新しい商品も試聴して加えました)

知っておきたいヘッドホンの基礎知識

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まずはヘッドホンの構造や音の特徴についてご紹介します。

密閉型と開放型、2つの構造

ヘッドホンには大きく分けて密閉型と開放型のふたつがあります。

密閉型の特徴

ヘッドホンの音が出るドライバユニットの裏側が塞がっているヘッドホンが密閉型です。低域が出しやすい構造で、音の厚みが増す傾向にあります。
メリットは遮音性が高く、音漏れも比較的少ないこと。録音や集中して作業したい場合に向いています。デメリットは音や熱がこもりやすいことですが、ここはメーカーの音作りで解消していることが多いです。

開放(オープン)型の特徴

ドライバーユニットの裏側からも音が抜けるように、メッシュ構造の材質などでカバーしているヘッドホンが開放型です。音がこもらないため、非常に抜けのあるナチュラルな音で高域に伸びがあります。
メリットは軽量で熱がこもらないため、長時間の使用でも快適に使えること。デメリットは聞いている音が周りにも聴こえてしまうこと。スピーカーほどではありませんが、周りに迷惑をかけない使用環境が必要です。

音の傾向は大きく2つ

ヘッドホンも含めてオーディオ機器の音の傾向として、リスニング用とモニター用、大きく分けるとふたつあります。

リスニング用の特徴

音楽を聴いていて楽しくなるように、各メーカーが独自の音作りをしているものがリスニング用ヘッドホンです。
リバーブ感を増強して柔らかい音にするものや、全体的なサウンドのまとまりを重視する傾向があり、音楽に必要のない音の優先度を低くしている場合があります。
ただ長時間曲作りする場合は開放型のリスニング用の方が楽だという人もいます。

モニター用の特徴

音楽を楽しく聴くというより、音のバランスや音の配置、音質などを聞き分けられるように設計されたものがモニター用ヘッドホンです。
各パートの音の分離がいいものや、繊細な音質の違いを聞き分けられるように、様々なメーカーが開発しています。
音楽制作で使うヘッドホンとしては、こちらのタイプがオススメです。

各メーカーの音作りの傾向

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ヘッドホンを開発するメーカーごとに音に対するこだわりがあります。
完璧なモニターヘッドホンというのはないし、音に関してはみんな意見が異なるので参考程度に把握しておいてください。

音の分離がいい「SONY」

ギター、ドラム、ベース、各パートそれぞれの音が聞き取りやすく、音の分析がしやすいのがSONYです。
どんなソースでも音の分離と定位(楽器の位置)がわかりやすいので、録音の現場やエンジニアさんが使っていることが多いです。
録音よりミックスの作業をメインにする人で「SONYは分離が良すぎてミックスする時の混ざり具合が分かりにくい時がある」と言ってたことがありました。
あと業務用のソニー製品はアフターサポートが充実していて、修理して長く使うことができます。

楽器奏者に人気の「Audio Technica」

マイク、イヤホンなど高音質なオーディオ機器を手掛けるAudio Techinica。モニター用のヘッドホンは価格を抑えつつ素直な特性を持つものが多い印象です。
ギターリストなど楽器奏者に人気なんですが、ある程度の音量で使わないと少し音がこもる傾向があるので、音抜けを大切にしたい人は選ばない傾向があります。

原音忠実の「YAMAHA」

楽器製造から始まったYAMAHAは、音に対する思想があらゆる機器で統一されているメーカです。それが「原音忠実」。
モニターヘッドホンでもそれは顕著で、いいものはいい、悪いものは悪い、そういう判断がしっかりできる音作りです。
今、YAMAHAを使っているんですが、ナチュラルでフラットな音なので制作作業に集中したいときにはいいです。

環境を選ばず使える「Shure」

ライブシーンでよく使われるマイクのメーカーとして有名なShure(シュアー)。アメリカのメーカーなので個性強そうに思われていますが、原音忠実な手堅い音作りをしてます。
個人的にはいろんなメーカーの中間的な音だと思っているので、一時期よく使っていました。

高域の伸びと空気感がいい「AKG」

アニメ「けいおん」の澪ヘッドホンのメーカーとして有名なAKG。開放型のヘッドホン開発に定評があります。
音の特徴は、開放型を活かした高域の伸びと空気感のあるナチュラルなサウンド。解放型で軽く、装着感もかなり心地いいので長時間作業に向いていると思います。

ドイツらしい高品質な音作り「Sennheiser」

マイク等も製造しているドイツの音響メーカー「Sennheiser(ゼンハイザー)」。高級ヘッドホンのメーカーとして昔から有名で、最近はスマホ等でも使えるヘッドホンに力を注いでるイメージがあります。このメーカーを音楽制作で選ぶなら開放型がいいと思うのですが、商品ラインアップを削減傾向にあるようです。
音の特徴は開放型の空気感を大切にしつつも締まりのある低域を作っているところです。

音楽制作用ヘッドホン選びのポイント

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ヘッドホンやスピーカーなどの音の出口はコスパを重視するより、目的や相性を大切にした方がいいと個人的には思っています。
その上で音楽制作用のヘッドホン選びのポイントをいくつか挙げていきたいと思います。

最低1万円以上のものを選ぶ

ヘッドホンの音なんかどれも同じだろうと思っている人は、家電量販店などに行って聴き比べしてください。
メーカーや価格帯によってヘッドホンによって音が違います。特に1万円以下のコストダウンされたものと、1万円以上の中級機、高級機とは大きな差があります。具体的には高音域、低音域のレンジの広さや音の分離、あと音の立体感が変わります。
値段が上がるといい音にはなるのですが、お財布事情もあるので、最低1万円以上のものを選ぶということを基本に置いておいてください。

スペック表は役立たないことも

よく周波数帯を気にされる方がいらっしゃいます。
もちろん広い方がいいのですが、周波数帯の広さが音の良さを決める一番の基準ではありません。同じCPUを積んだパソコンが同じ性能を発揮するわけではないのと同じで、メーカーの音作りへのこだわりがあるからです。ですから、スペック表に頼らず、自分が聞きたい音や自分の制作に向いている音を探してください。

何に使うのか考えておく

例えば、ボーカル録音で使うのに開放型を選ぶとマイクにヘッドホンの音が大量に入ります。(そんな人はいないと思いますが・・・)録音せず長時間作業する人は開放型の方が楽だし、録音もミックスもひとつのヘッドホンで行いたい人は密閉型を選んだ方がいいです。
「自分がどんな音楽をするのか」ってことをちゃんと考えてから選んだ方がいいでしょう。

他人の評価は当てにならない

人それぞれに似合う服があるように、ヘッドホンにも相性があります。だからたくさんのメーカーから商品が出ていて共存しているわけです。
特に耳の聞こえ方は千差万別なので、絶対的な基準が存在しません。コスパ最高のモニターヘッドホン!って書かれていても、実際そんなことないものも多いです。
他人の意見には耳を傾けつつ、最後は自分の欲しい製品を選んでください。 できればヘッドホン選びを通していろんな製品の差を知り、自分の作品が他の機器ではどう聴こえるかを考えるきっかけにしてみてください。

密閉型でおすすめのモニターヘッドホン

ここからはおすすめのヘッドホンをご紹介します。音響機器は価格で上を見るとキリがないので1万円以上〜4万円未満でセレクトしています。

SONY MDR-CD900ST

録音スタジオに必ず置いてあるモニターヘッドホンです。
特徴は音の分離がすごくいいこと。音の定位(どの場所で音を鳴らすか)やキックとベースなど混ざりがちなパートもしっかり分離して聞こえます。よくテレビなどで見るミュージシャンの録音にこのヘッドホンが使われているのは、見た目だけではなく、実際、録音用としてはかなり優れているからです。
ただあまりにも音の分離が良すぎるため、ミックスしているときに混ぜにくいという人もいます。このヘッドホンをモニター用に使うなら、他のヘッドホンと併用してリスニング環境ならどうなるか、リファレンスを作っておくといいです。
またこのヘッドホンはメーカー修理してもらえるので、長く使うことも可能です。

ただ、今の時代にSONY製ヘッドホンひとつで作業するなら、次のM1STがおすすめです。



サウンドハウスで見る

SONY MDR-M1ST

ハイレゾ時代に向けて開発されたモニターヘッドホンで、CD900STの後継機です。
音の傾向はCD900STと同じ方向性で、各パートごとの音の分離がかなりいいです。またCD900STよりもハイとローの音がしっかり出ているので、音自体の確認をするには最適なヘッドホンだと思います。ただ各パートの分離がよすぎるのでミックスしたとき混ざり具合が分かりづらいです。
ミックスはスピーカーで、音の細かな確認をヘッドホンでと使い分けする人には向いていると思います。


YAMAHA HPH-MT8

スタジオで必ず見るモニタースピーカーを作っているYAMAHAが開発したヘッドホンです。
YAMAHAはあらゆる機器に「原音忠実」という設計思想が統一されていて、オーディオ業界の原理主義者といったところです。このヘッドホンも原因忠実系なのですが、オーディオ的な心地よさとのバランスがあります。
SD900STほどではないですが、ちゃんと音のあらを聞き分けられるので、使い勝手がいいヘッドホンです。
最近、こちらのヘッドホンに買い替えました。詳しく下記の記事で書いています。

ものづくりがしっかりしていてちょっと重いので、最近、ミックスする時だけ使ってます。

“参考記事”
“YAMAHAのモニターヘッドホンHPH-MT8レビュー”


SHURE SRH840

SHUREというアメリカの音響メーカーで、マイクの製造で有名な会社です。
このヘッドホンはモニター用でありながら、程よいリスニングタイプでもあり、バランスに優れているヘッドホンです。音の分離もほどよく、ミックスしているときにも使いやすいため、一時期これをよく使っていました。
下位モデルでSRH440というモデルがありますが、こちらはモニターとしてはいまいちです。SRH840の上位機種もあり、音もよくなるのですが、コストパフォーマンスが悪くなります。
ケーブル脱着が可能で断線などにも素早く対応できます。



Audio technica M50x

こちらも人気のモニターヘッドホンでミュージシャンの方が愛用していることが多いです。
モニターでありながらリスニングをイメージできるタイプですので、録音、演奏、作曲など幅広く作業する人が選んでいる印象です。ケーブルも脱着可能ですし、ブルー、グレー、レッド、ホワイトなどカラーバリエーションも豊富。DTM用として使いながら、普段使いしてみるのも楽しいと思います。

ATH-M70x

M50の上位機種です。解像度はこちらの方が優れていますので購入の際は比べてみてください。


開放型でおすすめのモニターヘッドホン

開放型で4万円以下で考えると、メーカーはAKGかゼンハイザーの2択です。ここはプロ用のモニターヘッドホンだけでなく、リスティング用(DTMで使う人が多い機種)も選びました。
実は開放型のヘッドホンを探してたので、そのときに買おうかなと思ったものをセレクトしています。あと長時間、作曲作業で使うので、かっこいいものをセレクトしました。

「AKG K712 PRO」

僕が次の買い替えで狙っているヘッドホンのひとつです。K700シリーズのプロモデルで、開放型らしい空気感がありながら上下左右バランス良く聴こえるヘッドホンです。特にk701で物足りなかった低域が強化された印象があります。迫力のある音を求める人には向きませんが、フラットで解像度が高い音なので、作曲やミックスに向いていると思います。
あと本体が軽い!長時間作業でも疲れない機種だと思います。


AKG k701

アニメ「けいおん」の澪が使っていたヘッドホンとして大人気となり、一時期は高値で売り買いされていました。後継機が出てきても販売されている人気機種で、白い色やデザインで女性にも人気です。
少し低域が弱いのですが、音楽全体の音像や空気感が非常に優れています。K712proとは1万円くらいの価格差がありますので、AKGの音が好きだけどちょっと予算が・・・という方はこちらを選んでもいいと思います。


サウンドハウスで見る

HD400PRO

ゼンハイザーのモニタースピーカーです。こちらも上下左右バランスよく聞き取れるいい製品ですね。
開放型らしい空気感を大切にする音作りでありながら、締まりのある低音に魅力があります。全体の空気感や音の広がりを大切にするならAKG、音の締まりや低域を重視するならゼンハイザーという感じです。どちらを選ぶかは個人の好みになってきます。
2024年のNAMMで、このヘッドホン後継か上位機種と思われる新製品「HD490 pro」が発表されたので、ゼンハイザーの開放型狙っている人は少し待った方がいいかもしれません。


ゼンハイザー HD599

ドイツのメーカーゼンハイザーの開放型ヘッドホンです。これの前の機種を僕は使っていました。
特徴はオープンタイプで開放感があること、低域もきっちりと鳴らしてくれることです。どちらかというと音の解像度がいいリスニング用という感じのヘッドホンで、作曲からミックスまで幅広く使えます。また長時間つけていても疲れにくい人間工学を元にしたデザインがされていますので、作業が長くなりがちという方にもオススメです。


オススメ番外編 SHURE SE846

最後のは中田ヤスタカさんが、最近使用しているイヤホンです。聞きましたが、イヤホンとは思えないくらい解像度が高くいい音でした。
ただ値段が10万くらいするので、手が出せません。
これからの時代はイヤホンで聞く時代ですから、モニター用途に向いているイヤホンが登場してくるかもしれませんね。


おまけ Audio Technica ATH-CKR30


手頃なイヤホンだと、オーディオテクニカのATH-CKR30がおすすめです。
モニターとしてはそこまで使えませんが、3000円以下のヘッドホンなのに音の解像度が高く非常に聞き取りやすいです。モバイル用途や最終的な音確認によく使います。リスニング用としてもコスパがいいイヤホンですので、一度試してみてください。

“参考記事”
“解像度が高い3000円以下のイヤホンがリニューアル ATH-CKR30レビュー”

迷ったらSONYのMDR-M1ST

お店で聞いてもよくわからない!あれもこれも良く聞こえてしまう!という人は、SONYのMDR-M1STを選んでおくのをおすすめします。
音の分析には最適なヘッドホンですので、後々別のヘッドホンが欲しくなっても、録音時のモニター用や細かな粗探しにワンポイントで使うことができます。また使用感が少なければ売っちゃうこともできる機種だと思います。


高いヘッドホンは売れます。まずは使ってみることから。

せっかく買ったとしても、思った音じゃないなと思ったとき、安いヘッドホンだと捨てるだけですが、そこそこの値段のヘッドホンだと高値で売ることができます。
聞いてから買うというのがベストですが、地方にいるとなかなか聞ける場所が少ないと思います。まずは買ってみて、気に入らなかったらヤフオクやメルカリで売るというのも一つの手です。
自分が気にいるヘッドホンをぜひ見つけてください。

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