ベース音源といえばMODO BASSやTrilianが有名ですが、それなりに年月が経ったソフトでもあるので、できればもう少し新しいものが出ないかなと思って待っていたら、ToontrackからEZBassが2020年に発売されました。
その年は色々あって購入できなかったのですが、今年になってようやく手に入れることができました。
Toontrackらしく、簡単に打ち込めて、しかも音がいいので、初心者の方にもおすすめのベース音源です。今日はこのEZBassをご紹介します。
目次
メーカーのToontrackとは
北欧のメーカーで、簡単に使えて音がいい!初心者からプロまで使える音源やエフェクトを出す会社です。
特にEZシリーズは優秀で、ドラム音源のEZdrummer、簡単ミックスプラグインのEZmix、鍵盤打ち込み音源のEZkey、そして今回ご紹介するEZ Bassは人気の高いソフトです。
シリーズとしての特徴は、まず基本ソフトを購入した後に、ジャンルごとの音源やエフェクト、MIDIデータを追加していくことで、自分が作りたい曲の基本構造を素早く作れてしまうことです。
EZBassとは
EZBassは、EZシリーズの第4段目として登場した音源です。
リアルな音や打ち込みの簡単さはもちろん、グルーブを認識してベースパターンを作ることもでいるAI機能を搭載。まさしく最新のBass音源です。
難しいことは考えず、サクサクと打ち込んでいけるので、もっとクリエイティブな作業に時間を使うことができます。
この仕組みでギター音源を出してほしいです。EZ Guitarが出たらすぐに買います!
EZbass搭載のベース2
標準ソフトで搭載されているベースはモダンとヴィンテージの2種類です。音は比較的汎用性が高い音だと思います。
Modern
こちらはアクティブピックアップ系のベースをモデルにしている感じです。
スッキリしているので、グルーブを出していく曲には向いていると思います。またこちらにはスラップがあるので、フュージョンなどにも向いていると思いました。
Vintage
こちらはフェンダーのJazz Bassっぽい感じの音です。少し太いというかコシがあるというかそういう感じの音ですね。
追加音源「EBX」を購入してベース楽器を増やせる!
フレットレスやウッドベースなど、数種類のベースを追加購入することができます。個人的にはフレットレスが欲しいです。どのようなベースがあるかは、リンク先をご覧ください。
メイン画面 「Bass」
こちらが音源を立ち上げた時に出てくる動画です。
使っているベースの種類やフレットが見えています。一応、どこを弾いてるかわかる表示は出ますが、弦やポジションを選んだりすることはできません。自動選択のみになります。
下半分はタイムラインになっていて、打ち込んだデータを貼り付けてベースパターンを作っていくところです。ここはEZシリーズで大体統一されているインターフェイスですね。
チューニング・音質アンプ調整
この画面の右上にポップアップしている部分でチューニングや音質調整をおこなうことができます。ここはざっくりした調整だけなので、アンプシミュレータをかました方がリアル感は出ると思います。
ベースのMIDIパターンをセレクト「Groove」
この音源にはBassのMIDIパターンが内蔵されています。
これを下部にあるタイムラインに貼り付けることで、自分で打ち込まなくてもある程度ベースパターンを作り出すことができます。
個人的にはベースは自分で打ち込みたいタイプなのですが、打ち込みでは難しいグルーブもありますので、その辺りはちょっと欲しいなと思います。
MIDIパターンも追加購入できる
このMIDIパターンも自分が作るジャンルに合わせて追加することができます。特にベース打ち込はタイミングと音の長さが重要なんですが、Funkやジャズの打ち込みが苦手なので、ちょっと追加で購入したいなと思っています。
コードの変更もできる
コピーしたMIDIデータをコードに合わせて編集できます。ただEZkeyほど細かく設定できないです。
メジャー、マイナー、あとは分数コードを設定できるだけですね。Sus4とか7thコードとかは設定できません。
通常の曲ではそこまで複雑なベースラインを組まないとは思いますが、個人的にはランニングベースなどのMIDIデータが欲しかったので、ここは改善してほしいところかなと思いました。
直感的にグルーブを生み出せる「Grid Editor」
EZbassは独自のエディッタを搭載しているんですが、これが抜群に使いやすいです。一応キースイッチで操作するですが、このエディッターを使えば、キースイッチを覚えなくても、直感的に使いこなすことができます。
アーティキュレーションの変更も簡単
アーティキュレーションの変更は、変更したいノートをセレクトして、上部にあるメニューからアーティキュレーションを指定するだけで終了です。
キースイッチどこだったかな?と探す必要はありません。
アーティキュレーションは色分けなどグラフィカルに表示されるので、すごくわかりやすいです。他の音源メーカーも同じシステムを使ってほしいくらいです。
DAWによって、キースイッチがズレる
専用エディタで編集したMIDIデータを、コピペでDAWのタイムラインに貼り付けることができます。ただここで注意点!上記が取説のキースイッチなんですが、DAWによって一部のキースイッチがズレます。
メーカーに問い合わせた人がいるんですが、一部DAWではこうなるようです。僕はCubaseなのですが、ズレてました・・・
ちなみに取説の位置に戻すとアーティキュレーションが反応しなかったので、調整や変更はEZBassのエディッタを使う方か、ズレた方のキースイッチを利用した方がいいです。
再び専用エディタに戻して編集できる
MIDIデータをDAWのタイムラインにコピペしてから、また直したくなることってあると思います。
そんな時はそのMIDIデータをDAWのタイムラインから専用エディッタ側にコピペするだけで、再度編集できます。
キースイッチの情報もちゃんと認識し、専用エディッタの色分けなどもちゃんと適用されます。
MIDIデータからベースパターンを生み出す「Drums & Keys」
こちらがEZ Bassの目玉機能として宣伝されていたAIによるベースパターン制作ができるインターフェイスです。ドラムかキーボードのMIDIデータをDAWからコピペして貼り付けるだけです。
上の写真はドラムのMIDIパターンをコピペしてグルーブを抽出した画面です。
ドラムのどの部分のグルーブを抽出し、どんなベースラインを使うのか、4つほど提案してくれます。あとは気に入ったものを、下のタイムラインにコピペするだけで完成です。
グルーブを揃える面倒な手間がなくなる感じですね。様々なベースラインを複数提案してくれるものではないので、補助的な機能として使うのがいいと思います。
オーディオデータをMIDIに置き換えられる「Audio tracker」
ここではベースやギターなどで弾いたオーディオデータを読み込んで、自動的にMIDIデータに変換することができます。
テストでベースのオーディオループを読み込ませて、MIDIに変換してみました。
音程はほぼ正確に読み込むことができましたが、アーティキュレーション系はそこそこかなといった感じです。ギターでざっと弾いたものを、サクッとベースラインに落とし込んだりするには便利だと思いました。
簡単で高音質なベース音源!
この音源の感想は、とにかく簡単、速い、高音質!
アーティキュレーションやスライドの打ち込みも簡単、作業もサクサクできる、さらに追加音源パックを買わなくても、汎用性の高い高音質のベース音源がついています。DTM初心者の人にはもちろん、中級者、上級者にもおすすめできる音源だと思いました。
実は、購入するときにMODO BASSやTrilianと迷ったんですが、使いこなせない多機能の音源より、こちらの方が自分の制作スタイルに合っていたと思います。
曲のベースを素早く、高品質につくれるEZ Bass。ぜひ一度、使ってください!