Native Instruments(以下NI)とiZotopeが提携して初のプロジェクトとして、NIの音源Hybrid keysとマスタリングソフトの入門版のOzone Elementsを無償配布していますね。
Ozoneの方は、無償で撒きまくられたソフトなのでお持ちの方も多いと思いますが、NIが無償配布しているHybrid Keysの方は、はじめて聞く方も多いと思います。NIのユーザーでも使う人が少ない音源ではあるのですが、僕は今度やる企画で多用しているんですよね。
そこで今回はHybrid keysの使い方をご紹介していきたいと思います。
目次
鍵盤系のサンプリング&シンセ音源
Hybrid keysは、Komplete kontrolで使うことを目的にGUIなども設計されたKontaktで動くシンセ音源です。(という風に僕は思っています)
ピアノやキーボード、マレット系などの音をサンプリグしたデータを、組み合わせたり、エフェクトをかけたりすることで新しい音を生み出します。
もちろんNIの音源なので直感的にカンタンに使えるし、こだわった音作りも可能です。
音源を立ち上げる方法
kontaktからでも立ち上げられるのですが、komplete kontntrolから方がいろいろと説明しやすいので、今回はkomplete kontrolからの立ち上げをご紹介します。
All Instrumentsの横の▼をクリック
All Instrumentsの横の▼を押すと上の画面が出てきます。そこでHybridkeysを探してクリックします。
気に入ったプリセットを選んで立ち上げ
そうすると大量のプリセットが表示されます。komplete kotntrolはプリセットの音が聞けるので音が選びやすいんですよ。気に入ったものがあれば、それをクリックすると立ち上がります。
Kontaktを表示させたい場合はedit View
komlete kontrolでkontakt音源を立ち上げると、画面が省略になっていたりキースイッチがわからない場合がありますよね。そういう場合はedit Viewを選んでください。
上の写真のようにkomplete kontrolの中にkontaktが立ち上がります。
このkomplete kontrolは、NIが提唱するあらゆる音源の操作を統一するプラットフォーム「Nks」の中心となるソフトで、様々な音源やエフェクトをこのソフト内で立ち上げることにより、より直感的に使えるようになります。
ただより細かな操作が要求される場合もあるので、元音源のすべてのコントロール系を表示できるようになっています。
これからどうなるかわかりませんが、多くのメーカーがNksに対応しているので、新しいプラットフォームになる可能性は高いです。
kontaktから立ち上げる場合は
次にkontaktから立ち上げる場合です。
こちらはhybridkeysとhybridkeys2.0、2つから選ぶことになります。ほぼ同じ音源なのですが、2.0の方が音を細かくいじれる仕様になっていてます。また2つの音源ではプリセットも異なります。
ちなみにkomplete kontrolでは2つの音源のプリセットを一覧で表示していて、選んだプリセットに使われている音源が自動で立ち上がります。
kontaktでプリセットを選ぶ場所に注意
プリセットを選ぶ場所は赤の四角で囲んだ部分です。kontaktに慣れている人は気をつけてください。僕はちょっと探してしまいました。
hybridkeys無印と2.0の違い
無料で配られたものにも2つあるのかわかりませんが、kompleteユーザーには無印と2.0があるのでこの2つの違いを写真で確認しましょう。
hybridkeys
hybridkeys2.0
微妙にデザインも変わっているんですが、いちばんの違いは右上にFQ、SEQなどのコントロール系があるかどうかです。あとプリセットも無印と2.0では違います。統合してよ!って思いますけど、NI音源を使っているとよくあるので慣れましょう。
プリセットを探すときはkomplete kontrolの方が2つの音源の違いを意識せずに探せるので、圧倒的に速いです。
使い方はすごくカンタン!
ここでは、簡単にこの音源での音作りの方法を説明します。大きく分けて3ステップです。
①2つのサンプリングを選ぶ
この音源はサンプリングした2つの音を掛け合わせてひとつの音にする音源です。AとBそれぞれにサンプルを選ぶことができます。
ちょっと物足りないなというときには、サンプルを差し替えて新しい組み合わせを楽しむこともできます。ただ理想の音を作るぞ!って思ってもサンプルがないと無理なので、そういう人には向きません。「いい音があったら使う」、「音色を変化させて楽しむ」というように緩く構えておくといい音源です。
②並んでいるノブで音色変化
いちばん左のBalanceでABの掛け合わせ割合を調整できます。極端なことを言うと、Aの音だけ欲しい!と言うような場合は、全振りすれば片方だけ使えます。
真ん中の6つはエフェクト関連なんですが、プリセットによって自動割り当てになっています。2.0の場合は、ここが差し替え可能です。
そしていちばん右がVolumeです。
これらのノブはkomlete kontorlのノブと自動連携していてNI製のMIDIキーボードやmaschineなんかから操作しやすくなっています。Cubaseの人は、クイックコントロールでも操作できます。
③さらに細かな音作りも
2.0の方ではさらに細かな音作りが可能です。次の項目で項目別にご紹介します。
とことんこだわれる2.0の音作り
hybridkeys2.0ではより細かな音作りが可能です。
ABのそれぞれのサンプルを調整「sound」
ABそれぞれ個別に調整できるようにできており、フィルターやエンベローブ、LFOなどで音作りができるようになっています。加工するほどサンプリングされた音のメリットはなくなるので、ほどよい加工にしておく方がいいかなと思っています。
好みのエフェクトが使える「FX」
AB混ぜた音にエフェクトをかけるんですが、ここもエフェクトを差し替えたり微調整したりすることが可能です。
NI独自のエフェクトを利用するものもあり、使っていると奥が深いんですが、ここでこだわりすぎると曲作りが進みません。音の方向はいいんだけどちょっと?という時にいじるくらいがいいと思います。
音の変化を楽しむ「SEQ」
ピッチやベロシティ、エフェクト部分の6つのノブを動かせるシーケンサーです。使い方はmassiveなどを使っている人にはおなじみだと思います。プリセットで気に入ったシーケンスパターンを見て他に応用するというのも楽しかったりします。
使いどころ
個人的に言うとメロ弾いても面白いし、シーケンスを使ってパッド的に使ってもいいです。ただ個性が強いので、オケに馴染ませるというよりは、トラックメイキングのアクセントに使った方がいいかなと思いました。パッドで使う場合は他のシンセと混ぜると太くなりすぎる気もするので、フィルターで削って使った方がいいかもしれません。
このシリーズ、カンタンで楽しいです
操作はシンプル、出音はいい、複雑なルーティングもない。この音源は音作りが苦手な僕にとってはとてもありがたいんですよね。毎日上げる短い動画シリーズで使っているんですが、本当に重宝しています。
今回配られたものはHybridkeysだけですが、他にもアナログシンセ系、アコースティック楽器系、ヒップホップやダンス系など様々な音源があります。
今回の無償配布で、これは面白いな!と思った方は、ぜひkomplete13の購入も検討してみてはいかがでしょうか。