曲作りを始めたけれど作詞は苦手。曲と歌詞が合わない。といったお悩みを抱えている方も多いと思います。僕も職業柄、文章をサラサラと書くのは得意なんですが、作詞がとっても苦手です。とはいえ、一般的な作詞本はテクニックが中心のもの、精神論みたいな本も多いので、いまいち自分と合いませんでした。
そんな時に出会ったのが、「J-popの作詞術のウラ技オモテ技」です。今日はこの本についてご紹介していきます。
目次
J-POPを知り尽くしたゲッカヨ編集部が制作
月間歌謡曲という歌謡曲を取り扱った本の編集部が作った本になります。今だとコード進行と歌詞はネットで検索すれば一発ですが、昔はコード進行と歌詞をまとめた電話帳のような本でコードと歌詞を知り、ギターの弾き語りなどをしたそうです。そんな本の一つがゲッカヨでした。1979年創刊で2013年に廃刊。現在はネットで配信等をしているようです。
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そんな日本のJ-Popを知り尽くした雑誌が書いた作詞本なので、非常に読みやすくポイントを抑えたものになっています。
実際の歌詞を分析して、重要点を解説
2013年と少し古いのですが久々に読み返しても内容的には古さを感じさせません。その理由は、歌詞の分析や重要点の解説が普遍的なものだからです。時代を捉えることももちろん大事なのですが、歌詞を作る上でのポイントを実際にある歌詞から導き出し、そして図解しているんです。しかも文章がわかりやすい。さすが一般向けの音楽本を出し続けた編集部が作ったものだなと思いました。
特に「キラーワフレーズ」の効果は納得でした!
広告だとキャッチコピーのように効く言葉をポイントで使いますが、歌詞もいいところで効く文章を持ってきます。
この本にも載っているし、実際に自分が聞いたときもそうくるか!と思った歌詞でAKBの恋するフォーチュンクエストがあります。色々あってもファンに支えられて総選挙一位に登りつめた指原さんがセンターの時の歌。指原さんの心を歌ったような歌詞なんですが、真ん中くらいにある
「未来はそんな悪くないよ」
という歌詞があります。未来と書くと明るい、夢、希望といったポジティブで良くなるイメージの言葉と組み合わせがちですが、「そんな悪くないよ」という良くはならないかもしれないけど、いい未来かもねというフワッとした感じが、いろいろ厳しいいまの時代にピッタリだな、指原さんが描く未来にピッタリだなと思ったりしました。
どんなワードが効くのか、どういう構造なのかを実際の歌詞を例題に書かれているので、そのポイントだ毛を読むだけでも実力がつくでしょう。
応用問題で実力アップ
構造の分析だけでなく、後半には作詞に関する応用問題があります。有名作詞家が監修に入ってるみたいで、作詞で伸び悩んでいる人のコツになるような技が身につくようになっています。実際に作詞している人の悩みや課題を元に、その解決方法が書かれているので必要な部分んだけ読むというのでも効果が高いです。
デザインは軽いが中身は充実している
本のタイトルやデザインは軽いんですが、中身はかなり充実しています。有名作家のガチガチの理論書よりは、ポイントを抑えた説明が非常にわかりやすく、実践にも活かせる技がいっぱいです。自分の作詞に不満がある方は、ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。