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高音質&使いやすい!バイオリンソロ音源「STRADIVARI VIOLIN」レビュー

今回のkomplete 13 ultimateの目玉は、なんと言っても生音ソロバイオリン音源「STRADIVARI VIOLIN」ではないでしょうか。
NIにしては珍しいくらい本気度が高い音源で、億単位の価格でプロのミュージシャンでも選び抜かれた人(お金持ってるやつか)しか使えない名器「ストラディヴァリウス」の音をサンプリグした音源です。
使う機会がなかったのですが、ようやく歌モノのソロパートで試しに使ってみたのでレビューしたいと思います。(そのパートは結局ギターにしてしまいましたが・・・)

ソロ楽器で39GBの大容量音源

NIの音源は生音感を大切にしながらも軽くて使いやすい印象でしたが、今回は気合の入り方が違うなと思いました。デモ動画を見ていただいたらわかると思うんですが、かなりリアルなバイオリンの作り込みをしてきています。サンプルの容量は圧縮で23.5GB、非圧縮だと39GBにもなるかなりの重量級音源です。
ここまでの音源だと、いやいや使いにくいんでしょ、複雑なんでしょ、と思いがちですが、そこはNI。かなり使いやすくなっていました。

音源は2種類

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音源は2種類でマイクのポジションを選べるものと、固定のものの2種類です。それ以外はありません。komplete kontrol経由で起動すると、音源のセッティングを変えたプリセットが数種類あります。自分でセッティングできない人は、komplete kotorol経由で起動するといいかもしれません。

細かな調整メニューがいつもと違う

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この音源は調整メニューがいつものタブ方式ではありません。
左上がマイクポジションを変えられるミキサー画面が開くボタン。
下段は、アーティキュレーションなどの設定ができるところで、「・・・」のところをクリックすると、詳細メニューページが開くようになっています。
いつもの感覚でやろうとすると迷うので、注意してください。

3つのマイクポジションを組み合わせる「ミキサー」

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こちらはマイクポジションを変えられる方で音源を起動すると見られるミキサー画面です。
よくクラッシック系のサンプリング音源でよくある、Close、Mid、Farという距離違いの3つのマイクで録音した音を組み合わせて作っていくタイプです。
物理モデリングだと空間作りが大変なんですが、サンプリングだとこの3つのマイクポジションを操作することで理想の音を素早く作れるので、非常にいいです。

表現力を豊かにする「パフォーマンス」

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パフォーマンスはダイナミックスとヴィブラートだけのシンプルな構成ですが、この二つのオートメーションを調整するだけでかなり、リアルな演奏になります。
特にNIの音源はトラックメイカー的な人が好むフラットな音が印象的ですが、今回はかなりリアルなビブラートが簡単に打ち込めるし、種類なども選択可能に。自分でオートメーションを書くビブラートもできるので、かなり追い込めました。

キースイッチで簡単切り替え「アーティキュレーション」

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アーティキュレーションの切り替えは、いつものキースイッチでサクサクと切り替えていきます。
マッピングできるアーティキュレーションの数は20くらいあり、定番のものから、これ聞いたことないぞ??というものまで幅広くあります。これだけでも十分なんですが、ボーイングの弓の切り替えをキースイッチで指示できるようにもできるので、こだわりたい人はどこまでもリアルを追求できます。個人的にはここまでいらないです。
Virtuosoというのが使いやすく、いくつかのアーティキュレーションを組み合わせた設定で、鍵盤で弾いているだけでそれっぽく聞こえる演奏ができます。歌モノのバックでバイオリンを演奏させる時には、これだけでもそこそこいけそうでした。

ハイ、ローなど演奏する「ポジションを指定」

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弦楽器は高いポジションと低いポジションで音質が変わるので、その部分もこの音源では指定できます。
ハイポジションを使う、ローポジションを使うといった設定ができるようになっていて、CCでも選択可能。面倒な人は真ん中のデフォルトで設定してあるSmartを選んでおけば自動で選んでくれます。
僕はもちろんSmartで使いました。

初心者にも上級者にも使いやすい

ざっと打ち込んでみた感想は、ダイナミックスとビブラートだけでも十分本物っぽく聞こえるので、初心者の人でも使いやすい音源かなと思いました。
逆に上級者にも嬉しい機能としては、とことんリアルなバイオリンを追求できるところ。かなり特殊なアーティキュレーションまで入れてきて、クラッシックでの使用も目指した設定ができるようになっています。Con Sordino(ミュートをつけた音)なんて、一生使わないなと思いながらいじってました。

NIらしからぬリアルを追求できる音源

インストール時に、なんだこの馬鹿でかい音源はと思ったんですが、それだけの大量のサンプルがある音源らしいリアルな音でした。
だからといって使いにくいことはなく、簡単にらしく演奏できるモードから、ハードに追い込めるモードまで幅広く取り揃えてあるので、初心者から上級者まで満足できる音源だと思います。
変なメーカーのソロヴァイオリン音源を買うくらいくらいなら、kompleteをお持ちの方はultimateにアップグレードした方がお得だと思います。
ぜひ一度、使ってみてください。




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