作曲をはじめてしばらくしてから、ある人から購入を勧められた本が、「コード作曲法」です。初心者の方に、この本をオススメしようかどうかは迷うところなのですが、かなりお買い得な本ではあるんです。ですから、今回はこの本についてご紹介したいと思います。
本編は授業を聞いて覚えるDVD
この本は本が主役じゃないです。中に入っているDVDが主役なんです。でも映像は入っていません。授業の音声データと、授業で使ったMIDIデータが入っています。耳で聞いて、本をテキストにして作曲方法を覚えていく本なんですね。なので、本屋さんでは薄くてスルーしがちですが、実は中身はいっぱい詰まった本なんです。
コード理論の基本編がわかりやすい
この本、というより音声の授業がいいなと思うところは、非常にわかりやすい。音でも確認できて、テキストで目でも確認しできるからです。特に前半部分は、他の本以上にわかりやすいです。音のインターバール、スケール、コードの種類など、基礎的な部分は、非常にわかりやすいです。初心者でなくても、ここの部分は聞いておく価値があるかと思います。
後半の分析編がめっちゃ難しい
ところが後半はヤバイです。楽曲のコードを分析しつつ、コードの理論を学んでいくんですが、基礎編から急にレベルアップするので、初心者の人は、ここでおそらく挫折します。しかも分析する曲が、サティにドビュッシー。今の僕でも難しかった。最後はオーケストラのスコアリーディングで、いやいやコード作曲法でそこまで行かなくてもという内容でした。ある程度作曲をしている人でないと、ちょっとついていけないと思います。
前半は初心者、後半は中級者向け
前半は本当にわかりやすいんです。単純にこのコードはという理論だけでなく、コード構成音のインターバルを繰り返し伝えて、なぜコードがそちらに向かうのかわかりやすく説明できているし、テンションの説明なんかも耳から確認できるので、独学の人でもわかりやすいと思います。ただ、後半なんでそこまでレベルを高めたのかなと思うくらい、初心者に向かない難しさです。初心者で理解できる人はいないんじゃないでしょうか。
耳から覚えたい人にはオススメ
耳から聞いて、音楽を理解したいという人には、オススメの一冊です。ただレベル差が、前半と後半であるのでそこを注意してください。中級者の人は後半部分をお勧めしたいのですが、同じ作者が書いている「コード編曲法」の方をお勧めします。そちらは、各ジャンルのコード進行やアレンジなどについて、授業形式の音声がついてるので、非常にわかりやすいです。ただ本を読んでるだけだと理解できない。教えてくれる先生が近くにいない。という人にはオススメの一冊です。ぜひ一度買ってみてはいかがでしょうか。