以前の記事でも取り上げたのですが、DTMの打ち込みは結構地道な練習が必要です。曲を作りながら数をこなすのも大切ですが、効率的に作曲するためには、音楽の特性と打ち込む音のタイミングや強弱をある程度把握している必要があります。感性やオリジナリティも大切ですが、技術を身につければ、自分が表現したい世界をもっと簡単に表すことができるようになります。そこで今回は僕がDTM初心者時代に使っていた本「DTM打ち込みフレーズ制作技法」についてご紹介したいと思います。
MIDIの基礎知識が学べる
Cubaseなどの作曲ソフトだけでなく、ソフト音源やハードシンセに至るまで、あらゆる楽器が対応しているMIDIという音楽規格。この規格をしっかり学ぶことがDTMの第一歩です。ロケーション、デュレーション、ベロシティなど基本的な専門用語をまずは覚えてください。その上で各音データの数値を理解していくことで、打ち込みの精度が高まります。この本では非常にわかりやすく説明されていますので、しっかり目を通して理解してください。
あらゆる楽器の打ち込み方が習得できる
ドラムなどのリズムからはじまり、ベース、ギター、ピアノ、キーボード、ストリングス、ホーンセクションなどの打ち込み方法が書かれているので、大体の音楽ジャンルに対応できるようになれます。楽譜と併記して、音の強弱や長さ、タイミングが全て数値で書かれていますので、どういう数値で打ち込めばグルーブが生まれるのか、生演奏のように聞こえるのかがわかるようになります。ここも面倒くさがらず、ひとつひとつ打ち込んでいってください。
楽器の構造や音域などがわかる
それぞれの楽器には、特定の音域があり、特別な奏法があったりします。それらをしっかり理解することが、リアルな打ち込みの秘訣。この本ではそれぞれの楽器の構造や音域もちろん、奏法に関しても丁寧に解説されています。自分の演奏する楽器のことはよく知っていても、演奏しない楽器については知らないことが多いと思います。DTMは自由度が高いので、既存の楽器の枠組みを壊して大丈夫だという側面もありますが、聞いている人たちは、ギターはギターらしく、ストリングスはストリングスらしく聞こえてほしいと思うものです。楽器のことをちゃんと知ることもDTMに必要な知識です。
毎日1ページだけでもいいから打ち込みつづける
ちょっと苦行のように感じるかもしれませんが、この本をすべて打ち込むことをおすすめします。基礎練習は数をこなすことも大切です。まあ修行だと思ってやって見てください。きっと実力がつきますから。いい音源を使うより作曲ソフトについてくる音源でやりましょう。リアルじゃない音源が、打ち込みのデータを丁寧に調整することで、「ここまでリアルになるんだ」と思えるはずです。また音の特性、長さ、タイミング、楽器の特徴などを意識しながら打ち込むことで、音楽経験のある人でも「あ。この音楽は、こういう数値で表せるんだ」という新たな発見もあります。ぜひ、この本で打ち込み練習に、チャレンジしてみてください。