Komplete14 ultimateの全エフェクトレビューです。
今回のバージョンアップではグループ会社のiZotopeやBrainworxのプラグインが追加され、作曲からマスタリングまでkompleteだけでも対応できるようになりました。特にマスタリングの定番ソフト「Ozone10 Standard」が付いたのは大きいと思います。それでは、ひとつずつご紹介していきます。
目次
- 1 【NEW】Ozone 10 Standard
- 2 【NEW】Console N
- 3 【NEW】Limiter True Peak
- 4 【NEW】Crispy Tuner
- 5 【NEW】LO-FI-AF
- 6 GUITAR RIG 6 PRO
- 7 RAMMFIRE
- 8 REFLEKTOR
- 9 TRAKTOR’S 12
- 10 MOD PACK – PHASIS
- 11 MOD PACK – CHORAL
- 12 MOD PACK – FLAIR
- 13 CRUSH PACK – BITE
- 14 CRUSH PACK – FREAK
- 15 CRUSH PACK – DIRT
- 16 THE FINGER
- 17 THE MOUTH
- 18 MOLEKULAR
- 19 SOLID EQ
- 20 SOLID BUS COMP
- 21 SOLID DYNAMICS
- 22 VC 160
- 23 VC 2A
- 24 VC 76
- 25 VARI COMP
- 26 ENHANCED EQ
- 27 PASSIVE EQ
- 28 RC 24
- 29 RC 48
- 30 SUPERCHARGER GT
- 31 REPLIKA XT
- 32 DRIVER
- 33 TRANSIENT MASTER
- 34 まとめ
【NEW】Ozone 10 Standard
昔からこれを入れておけばOK!っと言われるiZotopeのマスタリングツールOzone10のスタンダード版がkompleteに入りました。
昔からマキシマイザーが優秀なことで知られていましたが、最新版ではAI機能を搭載していて、効率のいいマスタリングができるようになっています。またジャンルなどで分けられた大量のプリセットがあるので、初心者の人でも狙い通りのマスタリングを行うことが可能です。
本格的なマスタリングに使うプラグインですが、サクッと作った曲をネットで公開したい時に使うのもおすすめです。マスターに刺してプリセットを選ぶだけで、音圧も質感もアップさせることができるからです。
買ったら必ず使ってほしいプラグインです。(※Standardはインストールしなかったので、写真は僕が持っている上位バージョンです。)
【NEW】Console N
Neveコンソールを再現したBrainworx社製のチャンネルストリップです。
使ってみましたが質感もわかりやすくて、ガツンとくるので初心者の方でも効果を実感しやすいと思います。微調整するというよりはNeveの味が欲しいって時に使うと効果的だと思いました。
これからUADよりこちらを使う頻度が高くなると思います。
【NEW】Limiter True Peak
音楽的にピークを抑えてラウドネス規制に対応できるプラグインです。
単純にピークを抑えるだけでなく、音楽的にサウンドを盛り上げることができるそうです。Ozoneでいいかと毎回思っている部分ではあるのですが、一度チャンスがあれば実戦で使ってみたいと思います。
【NEW】Crispy Tuner
ボーカルなどのピッチ修正プラグインです。DAWがCubaseだと標準の修正ツールが強力なので出番はないかなと思うんですが、極端な修正をしてケロらせる方が効果高くて楽しかったです。ワンポイントで面白い使い方ができそうだなと思いました。
【NEW】LO-FI-AF
ビット数を落としたりノイズを入れたりして、劣化したようなローファイサウンドを生み出せるプラグインです。
単純なフィルター加工だけではなく、音飛びやノイズ、ピッチのズレ、音質変化まで生み出せる面白いプラグインなので、曲の途中でローファイな感じが欲しくなるような場面で使ってみたいと思います。
GUITAR RIG 6 PRO
今回の目玉はギターアンプシミュレーターのGuitar Rig 6 Proです。今回は新しいアンプやモデリング技術の開発、キャビネットのリニューアルで、過去の資産を活かしながら出音の改善を目指しています。僕はギターのソフト音源にGuitar Rigを挿して使ってみました。劇的に変わったという感じはしませんが、キャビネット部が変わったからか、リアル感は増したと思います。またGUIが刷新されて、かなり見やすく、使いやすくなりました。
RAMMFIRE
ドイツのギターリスト、リヒャルト・Z・クルスペさんと共同開発したGuitar Rigのプリセット集。結構ハードな感じの音になるので、そういうギター音がほしい時はよく突っ込みます。
REFLEKTOR
Guitar Rigで使えるリバーブです。単体で使ったことないし、使わなくてもいいと思います。ただアンプシミュレーター単品にいいリバーブも繋げられると思っておくくらいでいいと思います。
TRAKTOR’S 12
Gitar Rigの中に入ってるエフェクトです。プリセットに入っていなけれは、あえて使わなくてもいいです。
MOD PACK – PHASIS
ここからしばらくREAKTORに新しくついたMOD PACKシリーズをご紹介します。このシリーズはREAKTORなし、単体でも使えるシンプルなエフェクター集です。ちなみにこれはフェイザー。シンプル操作でわかりやすく簡単に使えます。かかり方も面白いです。これも昔の名機を参考にして作られているそうです。あとテンポと同期するアナログ機材にはない機能もあるので、ぜひ使ってみてください。
MOD PACK – CHORAL
CHORALはNI風の名付け方で少しわかりにくいですが、コーラスです。過去40年間の名機を元に開発したらしく、4つのモードに分かれています。シンセにかけるもよし、その他のものにかけるもよし、簡単に自由に使えるコーラスです。
MOD PACK – FLAIR
これはフランジャーです。こっちはハーモニーみたいなものも作れるので、使い方によっては面白くなると思います。
CRUSH PACK – BITE
ビットクラッシャーというローファイやレトロ感のある音を作り出すエフェクターです。軽くボーカルに入れてみましたが、簡単にぽくなるので面白かったです。
CRUSH PACK – FREAK
リングモジュレーションやラジオモジュレーション、フリーケンシーシフトなど、よくシンセの音作りで使う機能を、エフェクターにまとめたものです。
CRUSH PACK – DIRT
ディストーションです。歪みだけで使うというよりは、様々な楽器に挟んで音色変化や個性の強調などができると思います。使い方は本当に簡単でした。ホラー風のボーカルやノイズを加えた音、ラジオや無線のような音も作り出すことができます。
THE FINGER
ここからREACTORで立ち上げて使うエフェクトです。キースイッチにエフェクトを入れて切り替えていきます。使いにくいんですが、結構楽しかったです。もちろん録音データにもかけられますが、曲作りよりは、ライブパフォーマンスに使える感じだと思います。
THE MOUTH
先ほどのTHE FINGERのボーカル版。これもキースイッチでどんどん声を変化させていくものです。こちらもライブパフォーマンス向けかと思います。
MOLEKULAR
35種類のエフェクトから4つ選んで、それを様々なルーティングでつなげるエフェクターです。音の変化がかなり複雑にできるので面白いのですが、すごく重い。使ったらオーディオ書き出しか、すぐにフリーズしないと危険です。
SOLID EQ
ここからはスタンドアローンで立ち上がるエフェクトのご紹介です。SOLIDシリーズはSSL系統のモデリングをしているようです。どちらかというと仕上げ用のEQという感じで使うといいかなと思います。そこまで個性がないので、個性重視の人は使いにくいかもしれません。ちなみにNIのドラム音源には、このシリーズが音源内のプリセットでかけられるようになっています。
SOLID BUS COMP
BUSコンプなので、これも仕上げ用ですね。ドラムなんかをまとめるときにいいです。
SOLID DYNAMICS
これも個性強くかかるものではないのですが、ナチュラルにかかるので、なんとなく最後にさしとくかという感じで使ってました。
VC 160
DBX160のエミュレートらしいです。アタックを強くしたいときに使うと効果的です。
VC 2A
LA2Aをエミュレートしたコンプですね。悪くはないけど、あんまり使わなかったです。
VC 76
これお気に入りです。ユニバーサルオーディオの1176のエミュレートで、実はUADを買ったのもこいつのおかげかもしれません。輪郭がくっきりして、アタックもはっきりした音になります。
VARI COMP
これもお気に入りです。Manleyのコンプをエミュレートしたもらしく、僕の好きなSoftubeが制作したものです。がっつりかけても自然なかかり方がします。
ENHANCED EQ
これもまたお気に入りです。ブーストが得意なEQですね。これも自然な感じに上がるので、色付けしたいときに使うといい感じです。
PASSIVE EQ
これもかかり具合は好きなんですが、使いこなせていたかは微妙です。ManleyのEQをエミュレートしたものですね。左右のチャンネル毎に分けてEQがかけられます。マスターにさして使ったりしてました。
RC 24
おそらくLEXICONのデジタルリバーブ224のエミュレートだとお思います。実機を使ったことないのでわかりませんが、デジタルリバーブって感じのかかり方がします。あと音のかかり具合が、視覚的に見えるので調整しやすいです。
RC 48
こっちもおそらくですが、LEXICONのデジタルリバーブ480のエミュレートだと思います。EC24とは好みで使い分けという感じでしょうか。
SUPERCHARGER GT
真空管コンプですね。温かみのある音になるだけかなと思いきや、結構音が立ってくるのでいろんなところに使えると思います。
REPLIKA XT
いろんなことができるディレイです。複数のディレイをエミュレートして調整したものらしく、いろんなタイプの音楽に使えると思います。
DRIVER
歪み系のエフェクトです。がっつりかかって、太い音になります。使いどころがないので今の所使ってませんが、機会があれば使いたいです。
TRANSIENT MASTER
これは超オススメです。コンプと似ているんですが、リズム系のアタックやノリを調整するのにすごくいいです。Wavesを持っている人も、これだけは使うというエフェクト。ミックスで効果を発揮します。
まとめ
kompleteのエフェクトをおまけ的に考えている人も多いですが、Ozoneの追加などでかなり実戦で使えるプラグインが増えた印象です。
kompleteを購入されたら、ぜひ、すべてのエフェクトを使ってください。きっといい出会いがあると思いますよ。
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