今回もkomplete 14 ultimateの全音源レビューをはじめたいと思います。まずはクラッシック・シネマティック音源からですが、komplete13ultimateまででかなり補強されたため、komplete14では、人気のStrings音源のバージョンアップと新しくチャレンジングな音源が追加された感じですね。それではレビューしていきます。(新しい音源にはタイトル頭に【NEW】をつけています。)
目次
- 1 【NEW】Action Strings 2
- 2 【NEW】Ashlight
- 3 【NEW】Piano Colors
- 4 【NEW】Sequis
- 5 STRADIVARI VIOLIN
- 6 ACTION STRIKES
- 7 EMOTIVE STRINGS
- 8 SYMPHONY ESSENTIALS – STRING ENSEMBLE
- 9 SYMPHONY ESSENTIALS – BRASS ENSEMBLE
- 10 SYMPHONY ESSENTIALS – BRASS SOLO
- 11 SYMPHONY ESSENTIALS – WOODWIND ENSEMBLE
- 12 SYMPHONY ESSENTIALS – WOODWIND SOLO
- 13 SYMPHONY ESSENTIALS – PERCUSSION
- 14 MALLET FLUX
- 15 MYSTERIA
- 16 PHARLIGHT
- 17 STRAYLIGHT
- 18 THRILL
- 19 RISE & HIT
- 20 KINETIC METAL
- 21 KINETIC TOYS
- 22 komplete クラッシック・シネマティック音源まとめ
【NEW】Action Strings 2
壮大なストリングスセクションがパターンを組み合わせるだけで生み出せる簡単ストリングス音源の進化版です。
今回からベースとそれ以外の2パートに分かれ、さらにパターンの編集機能も強化されたので思い通りのパターンやフレーズを作り出すことができるようになりました。
ゲーム音楽やトラックメイカー的な曲作りをする方には重宝されている音源です。
【NEW】Ashlight
ダークで幻想的な雰囲気を作り出すアトモスフィア音源です。
金属やガラスなどを弓で弾いたり擦ったりした音を加工した独特のサウンドを搭載。怖い場面や不思議な場面のバックで流れる音楽制作に使える音源です。パット的な音や独特のピッチやモジュレーションで加工された音などは、面白い使い方ができると思いました。
【NEW】Piano Colors
グランドピアノで様々な奏法や道具を使って録音したサンプルを加工して生まれた音源です。純粋なピアノ音源ではなく、シンセのような感覚で使うといい音源でした。
NIはこのタイプの音源をたくさん作ってきていますが、その集大成という感じがします。生音のようなシンセのような中性的な音が魅力です。使えるジャンルとしてはシネマティックだけでなく、エレクトロな曲でも使えると思います。
【NEW】Sequis
管楽器、ストリングス、パーカッションなど、様々なアコースティック楽器の音を録音して加工した音源です。
独自のシーケンス機能で自由度の高いパターン演奏を組めるのも特徴で、ゲームや映画の音楽やエレクトロな曲にも使える音源でした。
シンセ中心で作りたいけど、少し生音っぽい音が欲しいなという時に重宝すると思います。
STRADIVARI VIOLIN
有名なヴァイオリン「ストラディバリウス」のサンプリング音源です。サンプル数が多いからか、かなりリアル。アーティキュレーションも基本的なものをそろえていて、簡単にキースイッチで切り替えて使えます。さらっと打ち込んだだけでもヴァイオリンの雰囲気が醸し出せるので、追い込むとリアルなバイオリンにかなり近づきます。komplete Ultimateの上位版collector's editionは、チェロ、ビオラもあるそうです。
ACTION STRIKES
ハンスジマーや澤野弘之のようなド派手な太鼓系のリズム。それらを簡単に作れてしまう音源です。ACTION STRINGSと同様、画面上にある譜面に書かれたリズムパターンをキースイッチで切り替えて理想のリズムを作ります。それぞれの楽器のワンショットもあるので自分でリズムを作ることも可能。パーカッション音源としても使えますが、いじって調整できるループ素材と考えると使い勝手のいい音源だと思います。
EMOTIVE STRINGS
ACTION STRINGSは、刻み系の音が得意だったんですが、こちらはレガート系のストリングスパターンを作れる音源です。譜面に書かれたリズムパターンをキースイッチで切り替えて作るタイプ。バラード系のストリングスなんかで使いやすいかなと思いますし、パターンを選べばメロや裏旋律も作れます。個人的には、別のストリングス音源で打ち込むことが多いので、あまり使わないのですが、ループ素材中心で作る方には、ある意味重宝される音源だと思います。
SYMPHONY ESSENTIALS – STRING ENSEMBLE
SYMPHONYシリーズのストリングスパート音源の簡易版です。Violin1、Violin2、Viola、Cello、Bassesの各パート、そして全部の楽器がなるEnsembleを収録していて、フルオーケストラに対応しています。音はそこそこいいので、特殊な奏法が必要なければ十分でしょう。無印のkompleteを持っている人で、ちょっとオーケストラを作りたいなという人は、これを目当てにバージョンアップしてもいいと思います。
SYMPHONY ESSENTIALS – BRASS ENSEMBLE
SYMPHONYシリーズのブラスパート簡易版です。Trumpet、Trombornes、Horns、Tubasの各パートと、全部の楽器が鳴るEnsemble。トランペット音がややシンセっぽいかなとも思ったのですが、全体を混ぜるといい感じになります。残響音が多いのでホーンセクションなんかには向きません。あくまでオーケストラの中で混ぜる音源です。
SYMPHONY ESSENTIALS – BRASS SOLO
Brass EnsembleのSoloバージョンです。やはりトランペットの音がややシンセっぽいです。他のパートはまあまあいいのですが。これも残響音が多いので、オーケストラの中で使うソロパートだと思います。オートメーションを書かないとシンセっぽいので、簡単音源ではなく、作り込んで使う音源ですね。
SYMPHONY ESSENTIALS – WOODWIND ENSEMBLE
SYMPHONYシリーズの木管アンサンブル音源簡易版です。Oboes、Flutes、Clarinets、Basoons、saxophonesの各楽器と、低音楽器のBass Winds、全部の音がなるEnsemblesです。クラリネット、フルートなんかはいいんですが、オーボエとサックスは単体で聞くとイマイチなんですが、混ぜたらいい感じなんですよね。映画音楽だと木管は味付け程度にしか聞こえないことも多いので、そういう使い方をする分にはいいと思います。
SYMPHONY ESSENTIALS – WOODWIND SOLO
Woodwind EnsembleのSoloバージョン簡易版です。低音楽器のBass Windsがなく、Contrabassonが入っています。これもサックスがイマイチですね。というかサックスで良い音源ってAudio Modelingの音源くらいしか思い浮かびません。ただオーケストラの中で鳴らすといい感じにハマる音なので、うまく混ぜて使うといいでしょう。
SYMPHONY ESSENTIALS – PERCUSSION
バスドラ、スネア、シンバル関連から、シロフォン、グロッケンまで、18種類のパーカッションがあります。基本打楽器系のサンプリング音源はそんなにハズレがないので、普通に使えます。他のクラッシック音源と混ぜて使ってみましたが、結構楽しかったです。SYMPHONY ESSENTIALSの中ではかなり使った音源です。
MALLET FLUX
シロホン、ビブラホンなどマレットで叩いて音を出す楽器のサンプリング音源です。NIですから普通にその楽器の音だけではなく、サンプルを混ぜてエフェクトを掛け合わせた独特の音作りをしています。最近、オーケストラの音にシンセやエフェクトを混ぜていくスタイルが流行っているので、そういう音楽には最適です。また歌ものでも、ワンポイントで活躍の場がありそうだなと思います。
MYSTERIA
こちらもエフェクトがバリバリかかったボーカル・コーラス音源。仮面が2つあるところからわかるように、サンプル同士を組み合わせて人の呻き声が不協和音で混ざり合います。真ん中のコントローラを動かすとさらに恐ろしい声に変化。映画の怖いシーンなんかに最適です。新音源レビューからさらに使ってみたんですが、意外に歌物の背景なんかでも使えそうなものもあります。プリセットが大量にありますので、じっくり聞いてみてください。
PHARLIGHT
こちらもボーカルをサンプリング&加工して効果音やパット等にした音源。MYSTERIAは不協和音で恐ろしい感じですが、こちらは音楽的に使えます。リード的な音もあるし、壮大な雰囲気のものもありますが、エフェクトで加工したシンセ的な音なので、リアルなコーラスって感じのものではありません。不思議な世界から情緒的な世界まで表現できそうな音源です。
STRAYLIGHT
こちらはアンビエントな雰囲気を出す音源。SFからスリラーまで幅広く使えると宣伝文に書いていましたが、まさにその通りだと思います。こちらも映画やゲームの効果音などで使うことを想定しているようです。パット的な音で音色の変化をLFOみたいなものでつけてるので、これにサイドチェインかませば、EDMでも使えるんじゃないかと思ったら使えました。ただ音が完成品で厚いのでフィルターで削ることも考えた方がいいでしょう。
THRILL
謎が深まる、忍び寄る殺人犯、ゾンビに襲われる。そんな恐怖シーンで使われる音を簡単に作れる音源。MYSTERIAと組み合わせたら、ちびりりそうになるくらい怖いかも。音はStrings、Brass、Woodwinds、Percussionなどのオーケストラ楽器やアンビエント系、ヴォイスなどを加工した音などがあります。サンプルを選んで、あとは鍵盤とXYpadで動かすだけ簡単に目指す音が作れると思います。
RISE & HIT
登場シーンや瞬間移動などの効果音に使える「ジョワ〜」とか「シュッー」という感じの音がする音源。これが出てからビルドアップに必ず放り込んでいます。様々な音の組み合わせのビルドアップが入っていて、タイムを伸ばしたり、加工したりするのも簡単にできてしまいます。シネマティックのくくりでNIでは入っていますが、EDMなんかでも使えるので買ったら試しに使ってください。主張が強いので少しフィルターで調整した方が良い時もあります。
KINETIC METAL
金属を弾く、叩くといった音が中心の珍しい音源です。可愛いオルゴールのようなデザインですが、結構ハードな音も含まれています。ちょっと金属系の硬い音やキラキラした音が欲しいなと思った時に、探して使ってます。このあたりの音をシンセで作るのは結構大変なので、重宝しています。
KINETIC TOYS
おもちゃ系の音で可愛い音や不思議な音が入った音源です。可愛い曲のイントロなんかに使えました。音源をパッと見た感じどうやって操作するんだろうと思いましたが、ロボットや人形のオルゴール、おもちゃなんかを動かすとエフェクトなどをコントロールできるんです。ざっくり気に入った音を選んで、直感的に音を操作していく感じですね。面白いことができます。
komplete クラッシック・シネマティック音源まとめ
kompete14 ultimateのクラッシック・シネマティック音源は、心情や雰囲気につけるのに最適な音源が追加された印象です。これで映画やゲーム、あらゆる場面で使える曲がさらに作りやすくなったと思いました。
クラッシック系はアーティキュレーションを必要最低限に抑えたEssentialバージョンが中心なので、オーケストラ曲をガッツリ作りたいという人はultimateの上位版collector's editionを選ぶか、SpitFire Audioなどの専門音源を選んだ方がいいと思います。
同人ゲームの音楽を作りたい!映像につける音楽をサクッと作りたい!という方には使いやすい音源が多いと思いますので、興味のある音源があれば、ぜひ使ってみてください。
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