ドラムやリズム系の音は曲作りでクオリティを左右する重要なポイントです。作曲初心者の人はメロディやコード進行に目がいきがちですが、リズムとベースは音楽の要。作曲やDTMのレベルが上がるとドラム音源やベース音源のクオリティを上げたくなります。
そんな時に使いたくなるのがリアルなドラム音源。リアルなドラム音源は簡単に打ち込めるものから、自分好みに徹底的に追い込めるものまで、たくさんあります。
今年ドラム音源を購入するためにいろいろ調べたので、今回は生ドラム音源の選び方やおすすめの音源をご紹介します。
目次
生ドラム音源選びのポイント
どこまで音を追求するのか。どこまで自分で打ち込むことができるのか。ドラム音源を選ぶ時の基準になるポイントがいくつかありますので、ご紹介したいと思います。
音作りへのこだわり
今日ご紹介する生ドラム系の音源は、どれもリアルな音がする音源です。その音から、どれだけ自分が理想にするドラム音に近づけたいかで選び方が変わります。
大体の音源はドラムキットの入れ替えで音楽ジャンルに対応し、スネアやキックなど楽器の入れ替えで、理想のドラムセットに近づけます。中には、ドラム自体の調整にまでこだわれるものも。
自分の理想の音を追求するのか。素早くジャンルにあった音を選びたいのか。自分の耳や調整力と照らし合わせて選ぶことが大切です。
打ち込みのしやすさ
スネア、キック、シンバルなどの各ドラム音はアーティキュレーション別に多くのキースイッチに分散して配置されているため、打ち込むのに少し慣れが必要です。
そういうときのために、音源内には打ち込みやすい専用エディタを用意している音源もあります。
ドラムをやっていなかった人にはリズム系の打ち込み、特にグルーブを感じるような打ち込みは難しいと思いますので、自分の打ち込み能力にあった音源を選んだほうがいいでしょう。
音源・MIDIの拡張性
ドラム音源では音楽ジャンルによってドラムキットを入れ替えて使います。大体のドラム音源はプリセットで汎用的に使えるドラム音源が入っていて、そこからこだわりたい人用に各ジャンルに向いているドラムキットを追加することができます。
また打ち込みの負担を軽くするために、基本リズムパターンを打ち込んであるMIDIループがついているものもあります。またさらに各ジャンルごとに複雑なリズムパターンを追加できる音源もあります。
拡張性も重要な生ドラム音源選びのポイントです。
今回セレクトしたドラム音源は
今回、いくつかドラム音源をセレクトしましたが、僕がドラム音源を買う時に候補に上げたものや実際使っているものをセレクトしています。
各音源のおすすめポイントだけでなく、自分が使っている音源に関しては、より詳しく書いた記事もご紹介していきます。
こだわれるドラム音源の最高峰「BFD3」
多くのプロの人たちが使うドラム音源です。
この音源の特徴は、ドラム音にとことんこだわれるところです。プリセットに収録されているサンプル数がすごく多く、マイクの位置や叩き方、楽器の開き、楽器の位置によるかぶりの音などの再現性も高く、本物ドラム録音をするようにとことん理想のドラム音を追求できます。
デフォルトでブラシ音もついているのも特徴で、Jazzなどを作る人にもうれしいところ。
また専用エディタを搭載していて、リズムパターンの打ち込みがしやすいだけでなく、グルーブという言われるMIDIパターンも搭載。
また追加購入できるドラムキットも豊富で、オーケストラ系のパーカッションまであります。
音作りにこだわれる上級者向けと思われがちですが、バージョンが上がるごとに、より使いやすく進化しているドラム音源。徹底的に自分のドラム音を極めたい人におすすめです。
ドラム音源の下剋上!拡張性が高い「Superior Drummer 3」
他のドラム音源と比べて後発ではあるものの、一気に高いシェアを獲得したのが、ToontrackのSuperior Drummer3です。
音のリアルさやカスタマイズ性が高く、プロからハイアマチュアまで多くのユーザーから支持を受けています。またエディタも使いやすく、迷わずドラム打ち込みが可能です。
特に注目すべきは拡張性。あらゆるジャンルに特化したドラム音源が大量にあり追加購入できます。さらにドラムのMIDIループも大量に販売されていて、かなり打ち込みが難しいグルーブ感のあるリズムなども追加することができます。
ドラム音源の未来を詰め込んだ音源です。
高音質なドラムサウンドを簡単に使える「EZ Drummer 3」
Superior Drummer3と同じToontrackが開発した音源です。
Superiorドラムと違い、操作できるポイントを絞ってあるので、音作りにこだわるより、すぐに自分の曲作りをはじめたい人に向いています。
高い拡張性も魅力のひとつ。Superior Drummer3の拡張音源と比べると少しドラムキット数を減らしてあるんですが、その分、様々なジャンルで使えるドラムキットを安くで購入することができます。
また追加のMIDIループはSuperior Drummer3と同じものが使えます。このループは実際のドラマーに叩いて作ってもらったものも多く、自分で打ち込むのが難しいグルーブ感のあるリズムなどを購入しておくと、作曲がかなり楽になります。
作曲初心者の人におすすめのドラム音源です。
(ちなみに、これを僕は使っています。プロの人でも作曲系の人で使っている人がいます)
コスパが高いリアルドラム音源「Addictive Drum 2」
ボカロPやプロの人たちが一時期かなり使っていたドラム音源です。
特徴は音作りがそれなりにできるのに、価格が安くて動作が軽いことです。特にドラムキットを追加できる拡張パック「ADpak」、MIDIループが入っている「MIDIpak」、単品の楽器だけ追加できる「KitpiecePak」などを自分の音楽ジャンルに合わせて選んで買えるCustomと言われるバンドルがあり、最初から自分の作りたいジャンルにあったドラムセットを選ぶことができます。リンクを貼っているのは拡張パックを3つずつ選べるベーシックなバンドルですが、他にもさまざまなバンドルがあり、価格も安いです。
新機能はあまりありませんが、ベーシックで高音質なドラム音源を手軽に使いたい人には人気です。
簡単で使いやすい「komplete付属のドラム音源」
Native Instrumentsの大容量バンドルにもドラム音源が搭載されています。
ここの音源は年代別で分かれていて、ドラムキットも豊富。MIDIループも大量に搭載されています。便利な打ち込み機能もないし、少しパラアウトの方法が難しいのですが、そこさえクリアできれば、かなり使いやすい音源です。
昔からある音源でもあり音質はそこそこなんですが、キックの音がクッキリしていて、ミックスしやすいです。
僕は初心者時代にkompleteのドラム音源だけで制作していましたし、今でもサクッとドラムを入れたい時はkompleteのドラム音源を使います。
最新機能はありませんが、限られた予算の中でドラムも含むたくさんの音源を手に入れられるkomplete。
いろいろと言う人がいますが、僕は使いやすいし、これからも使い続ける音源です。
kompleteはバージョンによって搭載されているドラム音源の数が変わります。ご購入の際はかならず、自分が欲しい音源があるかご確認ください。
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“Komplete_13_ultimateレビュー③(ドラム&パーカッション音源篇))”
選び方をまとめると・・・
徹底的にドラム音にこだわるなら「BFD3」、音質や拡張性で選ぶなら「Superior Drummer」、簡単打ち込みで選ぶなら「EZ Drummer」、安くでフルセットを揃えるなら「Addictive Drum」、他の音源も含めてドラム音源を揃えるなら「Komplete」という風に選ぶと後悔しないかなと思います。
各音源にはそれぞれ特徴があります。自分の制作スタイルや周りで使っている人の話を聞きながら、ベストな音源を手に入れてください。