Vir2のエレキギター音源「Electri6ity」が良かったので、アコースティックギター音源も欲しいなと思っていたときに出たのが、Vir2の「acou6tics」です。
オープニングセールで買ってそのまま放置してたんですが、この機会にちょっと使ってみようと思って新しい曲に使っています。
Electri6ityと同様、大量のパラメーターとキースイッチがあるんですが、さすが後発、ちょっと使いやすくなっていました。それではレビューしていきたいと思います。
目次
Vir2とは
大容量のサンプリング音源を作るメーカーでとても有名です。
エレキギター音源「Electri6ity」やホーンセクション音源の「MOJO2」など、リアルな楽器音源が魅力。僕はBASISというベース音源を買ったのが、このメーカーを使った最初ですね。
メーカーの特徴としては、生楽器のような音はもちろんですが、大量にあるサンプルをたくさんのキースイッチで切り替えて、アーティキュレーションの変化をつけられるところですね。。
リアルなアコースティックギターを再現「acou6tics」
ギターやウクレレなど6種類のギターを収録したアコースティックギター系の音源です。
音は上の動画で聴いていただければわかるとおり、かなりリアル。動画ではほぼ音源の音ですので、ここに空間形などのエフェクトをプラスすればかなり高品質なギターサウンドを自分の曲に取り入れることができます。
またElectri6ityで搭載されていたベロシティでアーティキュレーションが変わるAMTがなくなり、弦の微妙なニュアンスを出しやすくなっています。また大量にあるキースイッチも少し見やすく、整理されました。
ただ使いこなすにはギターの知識があった方がいいです。
収録されている6種類のギター
ウエスタンギター(スチール弦)、ウクレレ、ナイロン弦クラッシックギター、ギタレレ、マンドリン、12弦ギターの6種類で、ピック弾き、指弾きなどで音源が分かれています。
さらにGeneral MIDIというファイルの中に、昔のキーボードでも演奏しやすい音源設定のものが入っています(説明書にはそう書いていました)。とはいえ、通常の打ち込みでは使わなくていいと思います。
それではどんな楽器が収録されているか書いていきたいと思います。
ウエスタンギター(アコギ)
スチール弦ギターで、一般的にアコギって呼んでいるギターです。弾き語り系からアコースティクな曲まで幅広いジャンルに使われていますね。ピック弾きと指引き、両方の音源があるので、使用用途に合わせて選んでください。
ナイロン弦のギター
こちらはナイロン弦を張ったギターで、クラッシックギターとも呼ばれます。
スチール弦に比べて柔らかい音がするギターで、クラッシックはもちろん、ボサノバやフラメンコなどスペインやラテン系の音楽で使われる楽器ですね。
ギタレレ
ギターとウクレレの中間くらいのサイズの6弦のギターです。あんまり使っている人を見ない楽器です。
ウクレレ
4弦の小型ギター系楽器です。コンパクトで弾きやすいので手軽に始める楽器として人気です。よくハワイアンなどで使われる楽器なので、音を聞くだけで南国を感じさせることができます。
マンドリン
イタリア生まれの楽器です。持続音短いために、トレモロ奏法が多用される楽器ですね。
使われる音楽ジャンルは、地中海から東欧にかけての民族音楽や、ブルーグラスと呼ばれるアメリカ南部のカントリーっぽいジャンルで使われることが多いです。
トレモロの雰囲気が独特で個性が強く、個人的には地中海沿岸の街や文化をイメージさせる音がします。
12弦ギター
最後にご紹介するのが12弦ギターです。
通常の12本の弦が2本ずつペアになって6コース配置されいます。3コースから6コースまではオクターブでチューニングされているので、一本の弦だけでオクターブ奏法ができるらしいです。音も重厚です。
ただ僕はこのギターを弾いてる人を、テレビでしか見たことないです。
マイクかピエゾを選べる「Mic&FX」
ここからは音源の使い方をご紹介していきます。まず最初にマイクやピックアップのコントロール部分です。他のギター音源ではアンプになっている部分ですね。
この音源ではマイク録音とピエゾ(アコギ用のピックアップ)を選択できます。
MIC1+MIC2
マイク2本でステレオで録音するモードです。マイクのパンニングを選べたり、ある程度の空間を作り出すことができます。
Piezo
こちらはピックアップで音を拾うモードです。個人的には、マイクの方が好きなのでそちらを使っています。
自動でコードボイシングをセレクト「Chords」
この音源ではElectri6ityと同じく、鍵盤でコードを弾いただけでギターのボイシングを自動でセレクトすることができます。さらにElectri6ityより進化した機能もあります。それは自動でボイシングされるコードを、自分で選べるようになったことです。/p>
ボイシングを自分で選択
User Voicingというところをクリックすると真ん中にノブが出現。鍵盤でコードを弾いて真ん中のノブを動かすとそのコードのボイシングを複数選択できます。すごく気に入ったものをセレクトしてセーブすると、次からそのコードを弾いただけでセレクトしたボイシングで演奏ができます。
自動ボイシングって、「え?それ使うの」ってことがたまにあるので、こういう機能があると操作しやすいですね。
演奏のリアリティを高める「Keyswitch」
この音源でもElectri6ityと同様に大量のキースイッチが用意されています。
上記写真はkontakt画面のキースイッチ表示ですが、この範囲よりさらに上下にキースイッチがあり、これらを使いこなすとギターのリアリティをさらに高めることができます。またElectri6ityから進化したポイントとしてある程度プレイモードをまとめてセッティングできるバンクが設定されています。Bankは黒い鍵盤部分で切り替えることができます。
演奏モードを切り替えるBank
コード弾きやソロ演奏などに合わせて、最適な演奏モードやキースイッチ配置にまとめて切り替えられるBankが設定されています。今まで複数のキースイッチを入れて調整しなければならなかったことが、Bankの切り替えで一度に変更できるので、かなり楽になりました。
演奏の詳細設定ができる「Play Back」
ビブラートのスピードやピックの位置などを調整できるノブと、現在演奏中のコードやアップダウンなどのピッキングを確認できる指板を表示する画面です。さらに下にあるAdvanced Setupをクリックすると、さらに詳細な設定を行うことができます。
設定を追い込める「Advanced Setup」
詳細設定をとことん詰めていけるところです。僕はあんまりいじるとぐちゃぐちゃになりそうなので、気になる部分をポイントで変更することにしています。
詳細設定は大量にあって迷うのですが、上部にあるタブ「Quick Presets」の部分をクリックすると比較的よく使うパラメータにアクセスすることができます。
ただダブルトラッキングのところなんですが、説明書などは、Left Guitar、Right Guitarに分かれていると書かれているのですが、ソフト上はGuitar1、Guitar2でした。このあたり僕が何か設定を失敗している可能性があるかなと思っています。
レイテンシーに注意
この音源で注意した方がいいのは、コードを認識してギターのボイシングに置き換えるときのレイテンシーです。35msほどあるので、ズレが気になるときは最後にトラックを前にずらして調整してください。
多機能でリアルなアコギを使いたい方におすすめ
使い方に癖があるしそれなりに難しいことも多いので、初心者の人にでもおすすめな音源ですとは言いづらいです。
けれどリアルなギター音を自分の音楽に入れてみたいという方には最適な音源。キースイッチやパラメーターも必要なものをセレクトして使えば、そこそこDTMを使い慣れている人には簡単だと思います。
ぜひ、この生ギターに近いリアルさを体験してみてください。