Cubase Pro11が出てから半年。
もっと早くにレビューをしようかなと思っていたんですがなかなか全ての機能を使っている時間がなかったんです。ようやく時間をとって新しい機能を一通り作曲をしながら試せたので、新機能を中心にCubase Pro 11をレビューしたいと思います。
-
“Cubaseのセール・おすすめの買い方”
目次
- 1 MacはGPUパフォーマンスを最大化
- 2 Download専用ソフトが追加
- 3 書き出し設定の自由度アップ
- 4 サンプラートラックの進化
- 5 コードに合わせてメロを調整「スケールアシスタント」
- 6 滑らかなオートメーションが描ける
- 7 流行のダイナミックEQ「Frequency 2」
- 8 帯域ごとにステレオ感や空間を調整できる「Imager」
- 9 跳ねるようなうねりを生み出す「Squasher」
- 10 ノイズ除去やOff Vocal音源作成も簡単「Spectralayers One」
- 11 キーエディタにもコード・テンポトラックなどを表示
- 12 自分の使いやすいメーターを簡単制作「Super Vision」
- 13 使ってわかる作業の効率化
MacはGPUパフォーマンスを最大化
Macに関してはGPUの管理がかなりよくなったようで、応答性が高くなっているそうです。体感的には少し快適になったかなと感じるくらいですが、ストレスなく使えるのはいいことだなと思います。
Download専用ソフトが追加
Steinberg製品専用のダウンロードソフト「Steinberg Downlaod Assistant」を立ち上げてダウンロードするようになりました。
Native Accessなど他社製のダウンロードソフトに慣れているからか、最初少し使い方が分からず困りました。特にダウンロードするソフトを自分で選択していくのが、ちょっと難しかったです。
できれば、現状インストールされている製品情報やアクティベーションしている製品情報に合わせて、Downloadできるソフトを自動選別してくれるようにして欲しいなと思いました。
書き出し設定の自由度アップ
地味なんですが書き出しの設定がかなり詳細に設定できるようになりました。、パートごとにまとめて書き出しできるようなファイルを作れたり、様々な設定ができたり、個人的にはかなり便利になりました。
メーカーHPには「ステムをよりシンプルに」と書いていますが、なんのこっちゃわからないと言う人も多いと思います。ステムを簡単に説明するとパートをひとつにまとめて書き出したファイルです。例えば、コーラスが10トラックあったらそれを一つのトラックにまとめて書き出せると思ってもらえればいいかなと思います。
サンプラートラックの進化
今作っている曲のリズム関連でこの機能を使ってみました。
Cubase内に取り入れられたサンプラーなので、素早く使えて便利です。またとても多機能でLFOで音色変化させたり、ボーカルトラックをスライスするだけでキーボードにアサインされ、ボーカルチョップのようなことも簡単にできます。
Cubase10から搭載されていた機能の進化版なんですが、今後、使っていく機会が増えるなと思いました。
コードに合わせてメロを調整「スケールアシスタント」
キーやコードを指定することで自動で音階をクオンタイズしてくれたりする機能です。
メロやフレーズづくりなどでアウトしすぎてうまく作れないという人は、この機能を使ってみるといいと思います。
またリズム重視で適当に弾いた後、クオンタイズをかけると自分の発想にないフレーズを作ることもできました。本来の使い方ではないのかもしれませんが、行き詰まった時に使ってみたいと思った機能でした。
滑らかなオートメーションが描ける
ポイント数を増やすことなく、滑らかなオートメーションが描けるようになりました。
今までこういう滑らかなオートメーションを描こうとするとポイント数が増えすぎてかなり大変でした。
使い方もポイントとポイントの間をドラッグするだけです。これはもっと早くに実装して欲しかった機能でしてた。
流行のダイナミックEQ「Frequency 2」
8つの帯域それぞれに、音量やサイドチェインに合わせてEQを自動で変化させるプラグインが「Frequency2」です。かなりいろんな設定ができるため、音量変化の激しい素材やパットなんかで使うと面白い変化が出ました。
このタイプのEQはあまり使ってこなかったので、音作りなどで使っていこうかと思います。
帯域ごとにステレオ感や空間を調整できる「Imager」
WavesのPS22のように帯域ごとのステレオ感や空間を調整できるプラグインです。PS22より使いやすく、4バンドも調整できるので、かなり使えるプラグインでした。
跳ねるようなうねりを生み出す「Squasher」
3バンドのマルチバンドコンプなんですが、サーチュレーションやゲートもついた面白いプラグインでした。
かなり複雑なふわふわと跳ねるようなエフェクトを生み出すことができます。また3バンドそれぞれに別のサイドチェインを設定できるのも面白かったです。
メーカーはEDM向けのプラグインと言っていますが、いろんな場面で変化が欲しい時に使えるプラグインだと思います。
ノイズ除去やOff Vocal音源作成も簡単「Spectralayers One」
iZotopeのRXのようにノイズ除去や整音が行えるプラグインです。
これだけならようやく来たなという感じですが、とんでもない機能があります。それがオーディオの分離機能で、2mixからボーカルを簡単に抽出することができます。
どうせ頑張ればできるよって感じの機能でしょって思ってたら、微調整なしでキレイにボーカルとバックの伴奏を分けることができました。長年この手のプラグインに騙されてきたので正直ビックリ。すぐにカラオケ音源ができますので、お持ちの方はぜひ試してみてください。
キーエディタにもコード・テンポトラックなどを表示
キーエディッタの上部にコードトラックやテンポトラック、マーカーなどを表示できるようになりました。キーエディッタを別ウインドウで立ち上げた時に使えるんですが、打ち込みするときにかなり便利です。
自分の使いやすいメーターを簡単制作「Super Vision」
ラウドネスメーターを含めた様々なメーターを自分が使いやすいように組み合わせられます。サイズも組み合わせも柔軟に編集できるので、次回のミックス時に使ってみようかなと思います。
使ってわかる作業の効率化
Cubase Pro 11って進化のポイントってメーカーのHPを見ても分かりづらいと思います。大きく目立つ変化は少ないですが、使う人の目線での改良や、この機能があったらいいのになとみんなが思っていた機能をしっかりと追加してきたバージョンアップだと思いました。正直使ってみないとその便利さに気づかないと思います。
また今回登場した新エフェクトはかなり使えそうなものばかりでした。標準エフェクトを最近チェックしてませんでしたが、一度すべてチェックし直してみようと考えてます。
新機能で気になったものがあれば、一度、使ってみてください。
“Cubaseのセール・おすすめの買い方”