音楽理論、とくにコード理論は、”誰もが簡単に商用音楽をつくりだせるようにしたものだ!”ということを知ってますか?”JAZZは黒人の音楽で”とか言われるのになんとなく疑問を持ったことはありませんか?そんな方におすすめなのが、菊地成孔さんの「憂鬱と官能を教えた学校」です。
著者はサックス奏者・作曲者
菊地成孔さんはJazzサックス奏者が本業だと思うのですが、作曲や文筆などで評価が高いちょっと珍しい方です。とくに音楽の理論や歴史をすごく勉強されていて、ダンス系の音楽まで、幅広いジャンルに精通されています。普段はちょい難しめの文章なのですが、この本は、菊地さんの講義を書籍化したものなので読みやすいです。
音楽の歴史をザッと学べる
クラシックから、現代のダンスミュージックまで、音楽の歴史を俯瞰で眺めることができます。とくに西洋からの音楽、アフリカからの音楽、そのふたつをバークリーメソッドと言われる音楽理論(まあコード理論とかです)で結びつけています。参考曲等も書かれているので、比較的わかりやすいです。
音楽理論も、ザックリわかる
音楽の専門家でない人々に対しての講義なので、まあ難しい理論の説明をけっこう噛み砕いて説明していてわかりやすいです。ピアノ鍵盤で押さえるところが書かれていますから、本を片手にピアノを弾くとわかりやすいでしょう。
音楽の歴史+理論のベストマッチ
理論の本だけ見てると、うわ、面倒!とか思うようなことも、歴史を見ながら、参考曲を聴きながら学ぶと、けっこうすんなりと入ってきます。数学的に音楽を作る人より、文学的に感情的に音楽を作る人の方が、理論を学ぶのにうってつけだと思います。とくに、おおっ、この理論はこういう音楽の歴史の中で生まれたのか!というような発見がいっぱいできると思います。 いつも”音楽理論は嫌い”っていう人には、この本をおすすめしています。ハードカバーの方をボクは持っていますが、単行本版もありますので、ぜひお読みください。