EZ Drummer3が発売されてデモを聞いたところかなり良かったので、すぐに購入していました。
けれど家庭の事情などもありバタバタしていたため、ようやく今月使うことができました。簡単さはそのままに、よりリアルな打ち込みを実現できるドラム音源に生まれ変わっていましたので、ご紹介したいと思います。
目次
簡単にリアルなドラムトラックが作れる「EZ Drummer3」
北欧の音源メーカーToontrackが開発したドラム音源です。
同社のSuperior Drummer 3の下位バージョンと思われがちですが、選択項目が少なくて使いやすいので、プロの人でも使っている人がいる音源です。
MIDIパターンやドラムキットを追加することでさらにパワーアップできるのも魅力。DTM初心者の方から上級者の方までおすすめできる音源です。
今回のバージョンアップで新しくなったのは、プリセットのドラムセットがかなり使いやすい現代風なサウンドにアップしたことと、MIDIデータやギターなどの波形データーを分析してリズムパーターンを提案してくれる機能ですね。
プリセットは、3つのルーム、7つのドラムキット
今回新しくなったプリセットドラムが使いやすいです。
エンジニアのマイケル・イルバートさんがベルリンのスタジオにある3つの部屋で録音したデータで構成されています。
プリセットも部屋ごとに分かれていて、Main Room、Bright Room、Tight Roomという名前です。搭載されているドラムキットは全部で7つあり、同じルームで収録されたドラムならそれぞれのキットから好みの音を見つけて自分で組み合わせることも可能です。
ドラムキットごとに個性があるんですが、全体的に主張がありつつも曲に混ぜやすい音源になっています。
幅広いジャンルに合うポップな音「Main Room」
空間を感じながらも音像がわかりやすく、明るいベーシックなドラムプリセットです。
いちばん汎用性が高くて、ポップからロックな曲まで幅広く使えると思います。個人的にはいちばん使いそうなキットです。搭載されているDrum kitは2種類。
■汎用性の高い「Studio Kit」と
■アコースティック系と相性のいい「Singer Songwriters kit」です。
ロック系の芯のあるドラム「Bright Room」
木の床と大理石の壁を持つ部屋で録音されたドラムプリセットです。
芯のあるパシっと決まる感じの音なので、ロック系に向いています。
搭載されているドラムキットはこちらも2つ。
■汎用性のある「Modern Rock kit」と、
■ロックンロールという呼び方が似合う「Vintage Rock Kit」です。
かなりタイトな音で面白い「Tight Room」
ビジュアルを見てもわかると思うんですが、プリセットでこれを入れてくるのか!というくらいタイトなドラムキットです。
個人的には昔風の音だなと思うのですが、Bruno MarsがやってるSilk Sonicとかこんな感じのドラムサウンドなので、一周回って新しいのかもなと思いました。
搭載されているドラムキットは3つ。
■メーカーによるとモダンポップやパンチの効いたロックに合うらしい「Tight & Puchhy kit」。
■1960年代のブリティッシュポップにインスパイヤーされた音源で、写真のようにタオルで抑えたドラムとタオルなしのドラムの2種類を収録してる「Ckassic Pop kit」。個人的にはFunkっぽい曲にも合うのではと思いました。
■名前の通りヒップホップやR6Bだけでなく、ジャズにも合う「Hip-Hop/R&B Kit」です。
多くのジャンルに対応できる「Mixer Preset」
ドラムセットの音だけじゃなく、ミックスするときの音質設定もドラムサウンドには重要です。
EZ Drummerにはたくさんのプリセットが用意されているので、ジャンルごとに使い分けておくと、その後の作業がやりやすいです。使うドラムセットを見つけたら、この辺りも必ずセレクトして曲作りをするとイメージが膨らみますよ。
たくさんのMIDIパターンが選べるGrooves
ここでは搭載されているMIDIパターンを組み合わせて基本的なリズムパターンを作ることができます。またタップすることで、リズムパターンを探す機能もついています。
MIDIパターンの選び方
MIDIパターンの探し方は
■①でジャンルを選択し、
■②で表示されるリズムパターンからいいものを選びます。
■そして②で選んだMIDIパターンを③の部分にドラッグ&ドロップして曲に当てはめます。
■③の部分はDAWと連動。EZ Drummer上で編集するだけでDAWで再生されます。
■MIDIをDAWに直接貼り付けたい場合は③からDAWにドラッグ&ドロップすれば完成ですが、EZDrummerの編集機能が優秀なため、MIDIの編集もこの音源上でやっておいた方がいいと思います。
■④の部分は追加購入できるDrum MIDIパックが表示される場所です。自分では打ち込めないようなパターンも多くありますので、自分がよく作るジャンルのものは購入しておくと便利です。
そして⑤の部分は、下で紹介する、クリックでリズムをとることで似たMIDIパターンを探す機能です。
リズムを鳴らしてMIDIパターンを探す「Tap2find」
白い部分をクリックしてリズムをとることで、似たMIDIパターンの探せる機能です。数が増えてくるとMIDIパターンを探すのが大変になってくるので、こういうものが必要になる人もいるのかなと思うのですが、僕自身はそこまで使わない機能です。
よりリアルな打ち込みを可能にする「Grid Editor」
SUPERIOR DRUMMER 3で好評で、EZ Bassにも搭載されたGrid Editorが、EZ Drummerにも搭載されました。
ここが今回いちばんのおすすめポイントだと思います。
このエディッタなんですが、すごく打ち込みやすくて、調整も簡単。
特に他の音源だとバラバラになってる各楽器のアーティキュレーションを上の写真のように楽器単位で管理でき、打ち込みが終わると折りたたんで隠すことができます。これからのドラム打ち込みはこのエディタを使ってすることになりそうです。
グルーブを生み出す!優れたヒューマナイズ機能
さらに機械的になりがちな打ち込みを解消できるヒューマナイズ機能が優秀です。
ベロシティを細かく打ち込めるだけなく、タイミングも調整できるので、これから実戦で試していきたいと思います。
ドラムのバランスや音質を調整できる「新Mixer」
ミキサー部分も改良されて使いやすくなっています。
特に今まで一括りのマイキングになっていたタムがひとつずつ分かれていたり、全体的に調整できる場所が増えているのは嬉しいです。おそらくこれでミックスしやすくなると思います。
旧音源のミキサーは昔のままです
ただ旧音源のミキサーは昔のままです。細かな分類になるのは、EZ Drummer3のプリセットだけでした。(今後出るものや最新のものは変わっている可能性があります)
MIDIデータや楽器の演奏からリズムパターンを提案「Bandmate」
ピアノ、ギター、ベースなどのMIDIデータやオーディオ素材を読み込ませることで、Grooveにあう最適なMIDIパターンを提案してくれる機能が追加されました。
そこそこの精度でリズムを提案してくれますが、そこから自分好みにアレンジする必要はあると思いました。
MIDIとWaveを読み込ませてみました
DAWで打ち込んだMIDIデータをドラッグ&ドロップで貼り付けてみました。分析も一瞬でMIDIパターンを提案してくれます。
こちらはオーディオ素材を読み込ませてみました。
こちらは注意点があります。ループ素材を使っている場合、元の素材のテンポを指定しないとズレます。オーディオ素材を読み込んだときにテンポをどうするか選択画面が出ますので、そこで調整してください。
ドラムのMIDIパターンを追加で買った方がいいです
個人的には普通のロックポップを作るのであればデフォルトの音源で十分使えるなと思いました。
それよりもドラムを打ち込むのが苦手な人やBandmate機能を使いたい人は、自分のジャンルにあったドラムのMIDIパターンを追加で購入した方がいいと思います。
Drum midi 6packだと、単品で買うよりお得で自分の欲しいものが6つ選べます。(ここはあんまりセールにならないので・・・)
すぐに実戦投入できる音源でした
僕は円安前にMIDIループを大量に購入して、いろんなジャンルの音楽を楽に作れるようにしていました。さらにEZ Drummer3を購入したら、使いやすいドラムキットまで手に入ったので、これからの音楽制作が楽しみです。
また新しいEditorがかなり便利なので、とことん追い込んだ打ち込みができます。いま製作中の曲から、音源を少しずつ差し替えているところですね。
音がいいだけじゃない。誰もが簡単にドラムを打ち込めるEZの名にふさわしい音源だと思います。ぜひ一度使ってみてください。